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第15回布施緩和ケア研修会を開催しました。

12月1日(土)に布施医師会館にて、市立東大阪医療センター緩和ケア科部長 進藤喜予先生をお招きし、「第15回 布施緩和ケア研修会」を開催いたしました。

受講者は医師9名、看護師25名、ケアマネージャー12名、薬剤師3名、管理栄養士1名、その他を含めて総勢50名。
今回は同日に看護師対象の研修会が開催されていたためやや少なめの参加者となりましたが、遠方からのご参加者もあり、この研修会が広く周知されてきていることを実感できました。
その一方で、できる限り他の研修日程と重ならないような工夫が必要であると、反省です…。

今回のテーマは「終末期におけるせん妄」。
はじめに、訪問看護ステーションリールの北村大治さん、北村愛美さんより「精神疾患を有するがん末期患者の苦しみに意識を向けたケア ~精神症状やせん妄を呈した患者の苦しみとは~」について、事例検討を行いました。

続いて、進藤先生による「せん妄って ~意識の混濁?苦しみの表現?」をについてご講演いただきました。

私、看護師川邉綾香が、今回の研修会を受けて学んだ「看護師だからできるケア(気遣い)」について、記させていただきます。

まず考えたことは、「せん妄の原因が薬物の副作用や医学的疾患が原因ではなく、患者さまの苦しみの表現だった場合、私たちがすべきことは何だろうか?」ということでした。

私たちは常に、「誰かの力になりたい、援助したい、介助したい」という気持ちで働いています。
人は、元気なときは日常生活の中に多少の苦しみがあっても、自分で解決できたり、時間が解決したりと、それほど大きな問題にはなりません。
しかし、突然に受け止められないほどの苦しみが生じたとき、人はどうするのでしょうか。きっと、誰かに助けを求めると思います。
発せられた助けを求める声、「S.O.S」のサインをキャッチできる人になりたい。
私たちは、いつもそう願っています。

患者さまにとって、「苦しみは、希望と現実の開きである」。
その苦しみを理解して、その開きを埋めるような提案ができたとしたら、患者さまとの間に信頼関係が生まれ、その後の生活について委ねていただけるのではないでしょうか。

看護師が立案する看護計画の中に、患者さまの不安を解消することとして「患者さまに寄り添って、傾聴をする」と挙げることが多くあります。
もちろん、それは非常に大切なことだと思います。
では、どのように寄り添うべきなのでしょうか。傾聴とは何なのでしょうか。

患者さまは、私たちに医療者に、単にそばにいて「寄り添って」欲しいのでしょうか。
いいえ、そうではなく、患者さまは私たちに「支えて」欲しいのではないかと、私は思います。
そして、患者さまの苦しみを理解する姿勢、患者さまを支えようとする姿勢を誠実な態度でお伝えすることこそが、「傾聴」と表現されるのではないかと感じました。

私たちはよく「寄り添って」という言葉を使います。
しかし実際に患者さまやご家族さまからいただくお手紙の中には、「支えていただいてありがとうございます」という言葉が記されています。
やはり患者さまやご家族さまの望むことは、医療者が「支える」ということ。
私たちが提供すべきなのは、支える医療・看護なのだ、と強く感じました。

「“聴くこと”とは“相手に語ってもらう”こと」
だから私たちは、患者さまやご家族さまから語ってもらえる存在になりたい。
まさに「苦しんでいる人は、自分の苦しみをわかってくれる人がいると嬉しい」ということなのだと実感でき、大いに盛り上がった会になりました。

次回は、2019年3月2日(土)の予定。テーマは「ディグニティセラピー」。
シェラトン都ホテル大阪で開催される総会です。

エンドオブライフ・ケア協会 千田恵子先生より、対人援助のひとつの手法として「ディグニティセラピー」をご紹介します。
参加者の方々にとっては、「ディグニティセラピー」に取り組み始める契機として、また今後エンドオブライフ・ケア協会の地域学習会に参加する契機となるような会を目指しています。

医師、看護師、介護士、そのほか緩和ケアに関連する職種の方であれば、どなたでもご参加いただけます。
ご参加のお申込みは、布施医師会事務局(担当:真田さん)あてに、お電話またはFAXにてお願いいたします。
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 電話番号:06-6721-1919
 FAX番号:06-6721-5838
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個人参加の場合は、当日の受付も可能です。
みなさまのご参加をお待ちしております!

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