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「縁起でもない話をしよう会@東大阪プロジェクト」を開催しました

東大阪プロジェクトは、顔が見える関係を重要視しています。
それはクレドにもあるように、お互いがお互いを支える形に、語り合う場があれば、自分自身を知ってもらう機会になり広がると考えているからです。

そんな機会のひとつが「縁起でもない話をしよう会」です。

この会は、医療や福祉に関わる方々と地元の人々が参加する、鹿児島・妙行寺発の地域交流イベントです。
普段はあえて口には出さない「縁起でもない話」を語り合おう!みんなで!という趣旨の会で、これからの人生をいかに生ききるかを考える、きっかけ作りの一環となっています。

今回、東大阪プロジェクトとして初めて開催するにあたり、基調講演として、本家(とあえて言わせていただきますが)の鹿児島・妙行寺の井上從昭住職に、“本家の想い”を語っていただきました。

川邉:
「縁起でもない話をしよう会」を開催しようと思われたきっかけは何でしたか?

井上住職:
ある患者さんが、「病院では死が語れないね」と主治医に言ったそうです。
すると主治医は、「そうですね。病院は死を語れないところですね。でも、死を語れないのは病院だけでしょうか?社会全体が死を隠しているようなところはありませんか?」と。
そこで私はハッと気づかされました。
これをきっかけに、死について語りやすい場を提供したいと思ったのがきっかけです。

川邉:
地域交流という形ですが、対象者はどのようになっていますか?

井上住職:
情報提供者は、医療職だけではなく、非医療職・福祉職も対象にしています。
これはある薬剤師が情報提供を行った時なのですが、会が終了したあとの懇親会では、その薬剤師を囲んでの相談会なったんです。
しかし、ひとり目の相談者であった高齢女性の質問が長く、会がストップする事態になりました。
何でも聞いてくれる、相談できる、繋がれるという安心感のため、そのような事態になったのでしょう。
やはり、お友達のように繋がれて、何でも話ができるような、タブー・境がない関係性を築きたいと再確認しました。
今後も足元も見て、先も見てという「皆がつながる安心感」を提供したいです。

川邉:
いわゆる広義の多職種連携ですね。

井上住職:
はい。知って、話して、(重荷を)放つ場。
話題提供者によって、その後の話す雰囲気は随分と変わります。
つまり、話し手が教えてあげるというのではなく、「参加者とともに一緒に考えようよ」という雰囲気作りが大切なのです。
だから、「縁起でもない話をしよう会」が多職種連携の一つとして機能すればと考えています。
話題提供者には専門職の方に来て欲しい。
そして語り合える時間になると自然と専門職のところに人が集まる。
懇親会の時間も大切なのかもしれません。

川邉:
住職が思う、“来てほしい方々”というのはありますか?

井上住職:
ターゲットは、親を支える世代である40から50歳代のミドルエイジなんです。
宗教が違っても問題はなく、発信していくことで繋がれる、門戸を広げる。
「広げる」大切さ。
求められるものは「語り合える場」です。
そして、「今日はこれだけを覚えて帰ってくださいね」というものを提供すること。
ブログとして残し、記録することで、参加できなかった方にも共有できます。
谷山(鹿児島市)という地域は田舎であり、繋がりが残っているのも事実です。
住んでいる方々の思いをどのように形にするのかを考え、“生ききれる地域”を作りたいと思います。

川邉:
住職にとっての「縁起でもない話をしよう会」とは?

井上住職:
「死」は重たいもの、目を逸らしたいもの、だからどうしても死を隠すという文化があります。
これを壊したい、打ち破りたい。病院でも死を語れるようにしたい。これが当たり前だよというくらいの日常会話になるような社会にしたい。
そのために、常に何らかの形で発信し続けます。
コロナの流行で閉じざるを得なくなる前までは、面白そうという声も聞こえてきていました。
この会は、みんなで普通に「死」を語れる場です。
それが、家族との話のきっかけになればいいな、と思います。
今日のように、皆で語れる場。このような話をしたいですね。
どのような話題であったとしても、自分ひとりではなく、家族も含めて、これからどのように生きていくのかを考えてもらえる場にしたいと思います。

井上住職の講演を経て、シンポジウムとなりました。

●福村雄一(東大阪プロジェクト代表・司法書士)
遺贈寄付というテーマが、これからの人生や家族の話であることがわかった瞬間に参加者さんの表情が変わり、語り合いが始まりました。
「言葉で発する場所があること」×「その場所が言葉で発していいよという場所」であること=「出会うことで人が動き出す」
これのことを、再度実感しました。
言葉にすることで、自分にも周りにもそれが見える化し、気づきが得られると思います。
今後も人が集う場所を作っていくことで、語りたいと思っている人たちの選択肢になっていきたいと思います。

●松本静香(八尾徳洲会総合病院看護師)
「縁起でもない話をしよう会@東大阪」初回は、とても身近な話でとても共感がもてました。
特に、親の介護問題に直面している世代にとって、お金の話はとっても大事で…。
でも、実は自分の話はできても、親の話はなかなか話をしづらいのが現実です。
そんな話から、グループデスカッションでは、自分たちの身近な問題について意見を出し合うことができて、同じ悩みをもつ仲間意識ができて楽しかったです!!

●北村愛美(訪問看護ステーションリール看護師)
「縁起でもない話をしよう会@東大阪」に参加し、『自分の死』について考える時間を持つ機会となりました。
看護師である自分自身が率直に感じたことは、医療者が死のイメージをタブーとしている現状や葛藤を抱いているのではないかということです。
まずは、自分の死を語ることから踏み出してみると、相手の死生観を否定も肯定もしない観点からみることができるのではないかと考えます。
語ることのできる雰囲気や場所、時間を共有することができるキーパーソンでありたいと思っています。

●北村大治(訪問看護ステーションリール代表)
「縁起でもない話をしよう会」というタイトルに衝撃を受けて、何度かこの会に参加させていただいております。
今回は運営手伝いという立場でしたが、「遺贈寄付」や「語ることをタブーにしない」といったテーマで、参加者の生の話を聴かせていただき、私が感じたことは、死についてというよりも、今生きていること(生き方)について考えさせられました。
『今を良く生き、良い死に方(残されたものが困らないように)ができるように、元気なうちに準備できることは準備しておく』ということです。

最後に「縁起でもない話をしよう会」を記録し、そしてブログで公開されている合原千尋さん(行政書士)にもお話をお伺いしました。

川邉:
合原さんにとって「縁起でもない話をしよう会」とは?

合原さん:
行政書士として、安心して暮らすめには「繋がっている」ことが大切だと思います。
そのような地域が出来たらいいな、と思います。
私は父を癌で亡くしたのですが、終末期には在宅で療養をしました。
その頃に「縁起でもない話をしよう会」に父本人も家族もみんなで参加しました。
そして、やはり地域の人と繋がることで安心すると感じました。
だからこれからも、そのような場を作りたいと思っています。

参加者の皆様と、非常に多くのことを語りあえた会になったと自負しています。
これからも「縁起でもない話をしよう会@東大阪」は、「自由に語っていただける場」を提供していきます。

【話題提供】
遺言〜もし遺贈寄付するなら〜
福村雄一先生(司法書士・東大阪プロジェクト代表)
ダイジェスト動画をご覧ください。

次回のお知らせ

【縁起でもない話をしよう会・第4回東大阪プロジェクト(オンライン)】
日時:令和3年2月6日(土)18:00~20:00
定員:50名程度
対象:どなたさまでも(地域制限はありません)
話題提供:もしバナゲーム
講師:大江秀一先生 もしバナマイスター
「もしバナゲーム」って?
『人生の最後にどうありたいか?』
多くの人が大切とわかっていながら、なんとなく避けて通っている話題です。「もしバナゲーム」は、あなたと大切な誰かがそんな「もしものための話し合い(=もしバナ)」をするきっかけを作るためのゲームです。

詳細については、以下記事をご参照ください。
https://www.facebook.com/events/157307352793043

◆くわしくは、ここをクリックしてチラシでご確認ください◆

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