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「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」で学んだこと

先日、看護師の川邉綾香が参加した「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」ですが、7月21~22日に開催された講座に、院長の川邉正和も参加してきました。

エンドオブライフ・ケア協会について、また講座内容については、川邉綾香のレポートでご確認ください(笑)。

>>看護師 川邉綾香によるレポートはこちら
http://www.kawabe.clinic/wp/2018/06/13/01-4/

私は昨年12月にも同講座を受講しており今回が2回目となりますが、回を重ねるごとに新たな発見や気付きが得られ、「もっともっと学びたい!そして、学んだことを多くの方に伝えたい!」という思いに駆られます。

この2日間で私が学んだことを、ぜひ皆様と共有させてください。

【2回以上出てきた言葉は“キーワード”】
患者さまやご家族さまとの会話の中で、複数回出てきた言葉は“キーワード”です。それを逃さずに聞いていくことで、より深い会話をすることができます。

【“穏やか”には理由がある】
もし患者さまやご家族さまが穏やかに過ごしているとしたら、それにはきっと理由があるはず。困難な状況でも穏やかでいられるその答えの多くが、「支え」です。

【支えを必要としているのは誰か?】
困難から逃げずに、誠実に関わり続けること。できない自分を認め、それでも逃げずに向き合い、誰かの支えとなろうとすること。そうして闘っている人こそが、一番支えを必要としている人なのかもしれません。

【質問は、相手が聞いて欲しいことである!】
患者さまから受ける“質問”は、実は患者さま自身が「話したい・聞いて欲しい」と思っていることの裏返しかもしれません。
だから、受けた“質問”には短く答えて、相手に「あなたはどう思いますか?」と“問いかけ”ることが重要です。
ここでポイントとなるのは、“質問”と“問いかけ”は別物だということ。
質問は自分の理解のためにするもので、問いかけは自分の思いを言葉にすることで明確化するものです。

【沈黙は、エネルギーを貯めるための時間!】
患者さまとの会話や問いかけの中で、ふと沈黙が訪れることがあります。そんなときは急かさずに、1分~2分は待ちます。待った後、「今はどのようなことを考えていたのでしょうか?」と尋ねてみましょう。もし答えてくれなかったとしたら、それは相手から自分が「選ばれなかった」ということになります。

【共に苦しみ、支え続ける】
苦しんでいる人は、自分の苦しみを理解してくれる人がいると嬉しいものです。時には私たち医療者や世話をするご家族さまが、患者さまと一緒に落ち込み、苦しむのは当然のこと。その経験があるからこそ、「問いかけ」につながる信頼関係が構築できるのです。相手が自立し、自ら支えを手放せるようになるときまで、ずっと側にいて支え続けることが大切です。

講座を終え、参加した医療者からは「今まで患者さんと話す機会を作ってこれなかったので、前向きに声かけをしたいきたい」「これから場数を踏んで、一歩前に進んでいきたい」など、前向きなコメントが多数発表されました。

またあるガン患者の方は「人の苦しみを共有することを学んだ。これで看取ってもらえる自信がついた」と、心に沁みることをおっしゃっていました。

私も、「援助とは相手の顔が穏やかになること」だと心に留めて、日々の医療に携わっていきたいと改めて強く思いました。
そして、在宅医療に関わるすべての人に、苦しんでいる人の支えになって欲しい、支えになれるんだ、とういうことを伝えていきたいと思います。

すべての物事には、プラスとマイナスがあります。
笑っていてもその裏には涙があったり、沈黙の影に雄弁な思いがあったり、支えている人に支えられたり。

患者さまもご家族さまも医療者も、お互いに引き合い、補い合いながら、より深い関係を築いていけることが、私の理想であり、これからの目標です。

[参照]
小澤 竹俊 「死を前にした人に あなたは何ができますか?」 医学書院(2017)