かわべクリニック

在宅療養支援診療所

かわべクリニック

内科・緩和ケア内科・呼吸器内科

〒577-0843 東大阪市荒川3丁目5番6号 MMビル203

TEL : 06-4309-8119FAX:06-4309-8118

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講演会・研修会・勉強会で心がけていること

こんにちは。看護師の川邉綾香です。

最近、さまざまな場所で講演をさせていただくことが多くなりました。
そして、関係者のみなさまから「うまく講演する方法、工夫は?」と質問されることも増えました。

そこで今回は、私が講演会・研修会・勉強会などでお話させていただくにあたり、注意していること、心がけていることをまとめさせていただきました。

【例:50名の多職種相手での講演の場合】

<ポイント・伝えたいこと>
(1)真の主役は患者さま
どのような思いで医療・ケアを提供しているか。真の意味をわかってほしい。
根拠は何なのか。その中心は誰で、誰のためにやっているのか。

(2)勉強会の主役は受講者
受講者の反応、うなずき、疑問、無反応などの反応を見ながら話をする。

(3)分かりやすい言葉でゆっくりと
専門用語をさけ、わかりやすい言葉で。適度な速度で。
●一方的でなく、グループワークなど、音楽を入れ、集中力が途切れないような工夫。
●共感・支持を得られるような事例紹介を用いる。

(4)今日から使える「お土産」を
多くの人が分かるといってもらえるような、明日につながるような、「お土産」を持って帰ってもらえるような勉強会。

◎まずは雰囲気づくりから
はじめに、受講者の気持ちをこちらに向けていただきたい。
そのために、緊張からはじめ、最後は緩和されるような形で終わる形にします。

「日頃、出来ていますか?」といった難しい投げかけ、問題提起を行い、緊張感を持っていただきます。
そして、すぐに使えるような、実戦可能な方法を説明し、すぐさまペア・グループワークで体験し、「自分にもできるんだ」という実感を味わっていただきます。
今日からでもやってみようと思う、経験を積んでもらうことで、最終的に、緊張が緩和され、自信につながります。

◎講演の工夫
単調な、一方的な講演にならないように、明るく、元気な投げかけ、質問をします。
一つ目の質問は、(答えてくれる)顔見知りに質問するのも良いかもしれません(笑)。
大切なことは、質問してもらったら、その内容をゆっくり丁寧に反復することです。
それが質問者の安心感につながり、こちらも質問の内容をキャッチ、再確認できます。

「あなたは本当に聞けていますか?」のような、核心を突くスライドを入れることによって、受講者の緊張感を高めることができます。
そして心に残るスライド、ワード(言葉)、事例、音楽を提示します。
これが「お土産」になることが多いです。

◎グループワークで大切にしていること
知らない人とペアを組むことにより、かえって気兼ねなく話すことができます。
実演、実践練習などは、知らない人とペアで組むからこそ、真剣に恥ずかしくなく、夢中になって取り組めます。
盛り上がりに欠けるグループがある場合は、、少人数であれば、講師もその話に入り、グループワークを盛り上げます。
盛り上がっているグループには、最後に意見を求め、共有してもらいます。
困っていたグループにも、意見を求めるようにすることで、次の勉強会への参考となります。
受動的なグループには、当てられる緊張感を利用し、一緒に参加する姿勢をとってきただきます。

◎多職種・地域連携でのトピック
受講者は「クリニック(医師・看護師)がどのような思いで活動しているのか」を聞きたいし、知りたいと思っています。
私の場合は、「看取りの報告書」をベースに、患者さまがどのような想いで帰りたいと言うのか、そして最期まで生きたかを基本軸として伝えています。

その上で、病院ができること、病院からバトンタッチされて私たち在宅チームができること、それを互いに追求したいと思っていること。
批判することは簡単だけど、お互いにより良くするという方向、追求心で、その患者さまにとって、ベストな地域連携を計り続けたいと考えていることを、お伝えします。

◎医療に詳しくない、ケアマネージャーさんやヘルパーさんが参加している場合
まずは、在宅医療と在宅介護を受ける患者さまの違いを理解してもらうことからはじめるます。


①がん、②心・肺疾患末期、③認知症・老衰など、病気によって、病状の進行が変わります。

かわべクリニックでは、多くの方が「がん」の方です。
最後の2か月で急速に機能が低下し、今まで出来ていたことができなくなります。
だから、病院から帰りたいと思う時が帰る時であるし、「急ぐ!」ときはみんなで急がないといけません。
残された時間が短いからこそ、総力をあげてその人の一日一日を大切にしなければなりません。

このことを、ご家族さまへの説明に用いている「看取りのパンフレット」を用いて説明いたします。

旅立ちが近づいている時の状態の変化について、食べなくて良い、点滴しなくて良い、警察は呼ばなくて良い理由を。

逆に在宅医がいなければ、自宅で亡くなった場合は警察を呼ぶ必要があります。
今現在、関わっている患者さんでそのような困っている利用者さんはいませんか?
かかりつけ医が往診できるのか。不可なら、どうするのか。新しく見つけるのか?
これが、いわゆるアドバンス・ケア・プランニングです。
訪問看護師に介入してもらうのもひとつの方法で、それにより医療と介護の連携がはじまります。

◎参加者の発言を得るための工夫
とっかかりとして、「こんな簡単な質問でも良いですよ」と、簡単な例を挙げます。
そして全体を見渡し、肯定でも否定でも、前のめりの受講者を見つけ、その方に答えていただき、その話をできる限り膨らませます。何かを言いたい人は、必ずいます。じっくりと探し、どうですかとマイクを向ける。
良い反応でも悪い反応でも、意見を述べてもらうことが大切です。
長く感じるかもしれませんが、30秒くらいの「沈黙」に耐えると、自然に手が上がることが多くあります。
それでも手が上がらなければ、次のテーマに話を進めます。

いかがでしょうか。ご参考になりましたでしょうか?
このようなことを言っている私ですが、緊張と緩和を心がけているものの、なかなか場の雰囲気がつかめないこともあります。

そのようなときに適宜調整できるようになることが、今後の課題です。