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私が考える「看護師としてのプロ意識」

2020.09.30

こんにちは。看護師の川邉綾香です。
私が看護師になり、今年で15年が経ちました。
この機会に改めて、「看護師のプロ意識とは何か」を考えてみましたので、ここに記したいと思います。

「初心忘るべからず」
看護学校の入学式の前に、先生からこの言葉を言われたことを、今でもよく覚えています。
この言葉には、「看護師という仕事は決して楽ではないし、誰もがなれる訳ではない。目の前にいる苦しむ人を助けたいと思う気持ちがなければ続けられない仕事である」という意味が込められています。
現在看護師としての日々を過ごし、まさしくその通りだと実感しています。

看護学校の実習時に、先生からこのようなことを言われました。
「患者さまには、必要な時はナースコールを押してもらいます。
でも、患者さまに“ナースコールを押させる”ことは、看護師として意識が低い。
患者さまは、ナースコールを押すことに非常に気が引けるものです。
そのような思いをさせることがどういう事なのか、看護師の役割について考えなさい」

その時の言葉の衝撃を、今でもはっきりと覚えています。
またこの言葉は、今日の私の、看護に対しての考え方の基になっています。

何か起こってから対応するのではなく、日々、患者さまが何を必要としているのか、何が起こる可能性があるのかを常々考えること。
また、患者さま・ご家族さまが気軽にクリニックに電話できる距離感・安心感を持っていただくこと。
つまり「患者さま・ご家族さまの期待を超える成果を出そうとする意識、安心感」を持ち合わせた行動をするのが、看護師のプロ意識である、と私は考えています。

病棟勤務時代に、このようなことがありました。
ある患者さまから、
「あなたが担当の時は点滴が本当にちょうどに終わる。
あと、必ず途中で見に来てくれるよね。安心やわ。
入院しているから予定がないと思われているかもしれないけど、患者なりにこの時間にシャワーしようかなとか考えているのよ」
と言っていただいたことがあります。

みなさん、点滴が予定の時間に終わるのは、当然のことと思っていませんか?
患者さまの姿勢や行動で、滴下速度は変化するのです。
その患者さまの点滴中の姿勢や行動を把握しておかなければ、点滴は予定通りには落ちないのです。
だからこそ、患者さまから「わたしのことをわかってくれてありがとう」という意味を込めて、そのような言葉をいただくことができるのです。

また新人の頃、ある先輩看護師にこのようなことを言われました。
「今から厳しい話をするわね。
ここにおられる患者さんはほとんどがガンの患者さんでしょ。
残念だけど5年後には多くの方はここにはいない。
だからこそ、今という時間を大切にしたケアをしなさい」

こんなこともありました。
あるガンの患者さまから、こんな言葉をいただきました。
「どうしても取り去れない身体的苦痛の中で、少しでも笑って過ごせる時間が楽しい。
それがあなたとの会話している時間だわ」

病気のために起きている事実が同じなのであれば、捉え方一つで人生の質は大きく変わります。
信頼関係を築くのは、時間ではありません。
その時、その瞬間に患者さまの心を掴むことが重要であり、そのための行動ができること。
患者さま・ご家族さまの穏やかさに目を向けたケアを提供する行動ができるのが、看護師としてのプロ意識です。

いつ、いかなるときでも、「この時・時間を」大切にする。
私だけでなく、私と関わる全ての人の人生をより良くする意味がある。

人生に無駄なことなど、ひとつもない。
すべての事には意味がある。

そのことを肝に銘じ、初心を忘れず、患者さま、ご家族さまに寄り添えるプロの看護師として、より研鑽を積みたいと思います。