在宅医療における管理栄養士の役割とは
今回は、かわべクリニックのメンバーの一人である、管理栄養士の岡本里紗をご紹介します。
岡本のプロフィールはこちらでご覧ください。
「在宅医療に管理栄養士が必要なの?」と疑問に思われる方も多いかもしれませんが、かわべクリニックでは「終末期医療において、食事を心のケアに」を目標に、終末期医療における食事についての取り組みを進めています。
■在宅訪問管理栄養士とは
今後わが国では、在宅での療養者や要介護者が増加し、在宅での栄養ケアサービスの需要が増大することが予測されています。
しかし需要に対し、在宅訪問栄養食事指導を提供できる管理栄養士はまだまだ少ないのが現状です。
そこで、在宅医療と関わる他職種と連携を取り、かつ在宅療養者の状態に適した栄養食事指導(支援)ができる管理栄養士を育成することを目標に、平成23(2011)年度から公益社団法人 日本栄養士会・全国在宅訪問栄養食事指導研究会(現・一般社団法人 日本在宅栄養管理学会)認定の「在宅訪問管理栄養士」制度がスタートしました。
■在宅訪問管理栄養士の役割
「在宅訪問管理栄養士」は、患者さまやご家族さまの立場や思いを理解し、医師や看護師と連携しながら、最期まで「口から食べること」を支援する管理栄養士です。
[具体的な活動内容]
1.患者様に対して栄養アセスメントを実施し、栄養障害を早期発見して栄養管理を開始する
2.個々の患者さまに適切な栄養管理が実施されているかどうかを定期的に評価し、必要に応じて主治医に提言する
3.がんの進行や治療による栄養障害をについて解析し、改善する
(例)
・食欲不振がある場合は主食を麺類にする、果物やゼリーなど口当たりの良いものをプラスする
・口内炎ができている場合は刺激物や酸味の強いものを避け、あんかけ料理などを用いる
4.経口摂取法、経腸栄養法、経静脈栄養法の中から、患者さまに適した栄養投与ルートの検討、提案を行う
5.咀嚼や嚥下など摂食に関わる機能喪失への対応に努める
6.終末期の患者さまに対しては、食事を楽しむことが出来るような工夫を行う
■「食」を選ぶことの自由
病の苦しみの中にある人は、どうすれば心穏やかになれるのでしょうか。
その答えの一つとして「選ぶことのできる自由」があると、私たちは考えています。
「食べる」という行為は、単なる栄養の摂取だけにとどまりません。
食べたいものを、食べたいときに、食べたい量だけを選んで食べる。
それぞれの事情に合わせた食事内容をご提案したい。
そのようなときには、在宅訪問管理栄養士の出番です。
一般的な終末期医療における食事から、最終的にはオーダーメード的な食事をご提案することで、食事が心のケアとなり、死を前にしても穏やかにいられるための助けとなることを願って。
かわべクリニックでは、在宅訪問管理栄養士による在宅医療支援を進めてまいります。
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