『できる看護師シリーズ』
看護記録(SOAP)が書けないあなたに!
(5)初回訪問で見えてくる患者さま像
看護記録(SOAP)を書くのが苦手な方に、明日から使える看護記録(SOAP)の実践例を紹介するこのシリーズ。
第1回「今日の看護の目的は何!?」、
第2回「抽象的な事を書いて計画を立案した気になってはいけません!」
第3回「実施内容は“O”じゃないんです!」
第4回「もっとアセスメントを深めなさい!」
に続き、
最終回となる第5回は「初回訪問で見えてくる患者さま像」がテーマです。
Eさま 85歳男性 妻との二人暮らし
直腸がん、多発肺転移、肝転移
紹介状からの情報として、X年7月直腸癌に対して低位前方切除術施行。
X+1年7月局所再発、肺転移を認め、抗癌剤:UFT450mg/日治療となった。
癌性疼痛に関してはデュロテップ4.2mg/3日でコントロール中。
9月末にケアマネが認定調査のため訪問したところ、4、5日前より食欲低下およびADL低下を認め、病院の受診に行けず在宅訪問診療を希望され初回訪問となった。
初回訪問で得られる情報は多いので、あれやこれやと色々書いても混乱してしまいます。
事前に病院からの診療情報提供書(紹介状)に目を通し、今までの治療の経過と現状を把握しましょう。
ケアマネージャーからのフェイスシートで、は家族構成だけでなく、自宅での生活状況を想像します。
そして改めて、今何に困っているのか、それは医療的な問題なのか、看護的問題なのか、介護なのか…。
まずは「聴く」ことが大切です。
記録を書く上での“あるある”ですが、聞いた順に記載してしまい整理整頓できていない記録をよく目にします。
患者さまによっては、痛みの話をしていたかと思えば食事の話になり、また痛みの話に戻ったり、とさまざまです。
記録の中では、患者さまらしさを残しつつ、要点をまとめて記載する力が求められます。
初回訪問では特に、今後に繋げる記録として、初対面だからこそ見える感想・見解を書くことが大切です。
今回、同じ情報を持って訪問した二人の看護師。
どちらの方がわかりやすいか、歴然ではありませんか?
それだけ、五感によって得た情報を共有するのは難しいことなのです。
【看護記録(SOAP)が書けないあなたに!事例を通して学ぶ】
(1)今日の看護の目的は何!?
(2)抽象的な事を書いて計画を立案した気になってはいけません!
(3)実施内容はOじゃないんです!
(4)もっとアセスメントを深めなさい!
(5)初回訪問で見えてくる患者さま像