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      医療法人綾正会かわべクリニック

      内科・緩和ケア内科・呼吸器内科

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「PEACE緩和ケア研修会」に参加しました

こんにちは。かわべクリニック院長の川邉正和です。

今回は、私が参加した「第11回大阪国際がんセンター PEACE緩和ケア研修会」について、ご報告させていただきます。

<PEACE緩和ケアとは>
厚生労働省は、がん対策基本法に基づくがん対策推進基本計画において、「すべてのがん診療に携わる医師が研修等により、緩和ケアについての基本的な知識を習得する」ことを目標に掲げました。
そこで日本緩和医療学会が開発した教育プログラムが「PEACE(Palliative care Emphasis program on symptom management and Assessment for Continuous medical Education)」です。

日本緩和医療学会とPEACEについて、くわしくはこちらをご覧ください。http://www.jspm.ne.jp/

今回の研修会には、研修医の先生方を中心に、看護師、理学療法士、合計36名にご参加いただきました。
なんと、最高齢の方は70歳の先生!いつまでも積極的に学び続ける姿勢に尊敬の念を抱きました。

私はファシリテーターの一員として、「療養場所の選択と地域連携」のモジュールの講師を勤めさせていただきました。
また「肺がんの事例検討」について、八尾市立病院緩和ケア科の蔵昌宏医師が講師をされ、連結して「地域連携」を行い、各々のグループで非常に質の高いディスカッションを行うことができました。

今回の研修会を通じて、私が参加者の皆様にお伝えしたかったこと、
それは「帰れない患者はいない」ということ。

私は、患者さんの「自宅に帰りたい」という思いを支えることが、私たち在宅医療に関わる者たちの使命なのだと考えています。

そして、そんな患者さんたちと「顔の見える関係を築く」ことの大切さも、皆様に伝えさせていただきました。
自宅というパーソナルで安らげるはずの場所に、誰だかわからない医師や看護師が出入りするのでは、せっかく自宅に戻った意味が薄れてしまいます。患者さんと、そしてご家族の方と1対1で顔をつき合わせて信頼関係を築くことが、最期まで納得できる在宅医療を受ける上で、何より重要なことではないでしょうか。

ファシリテーターとして参加しましたが、参加者の皆様の熱意や意見から学ぶことも多く、とても実りある2日間でした。
また関西福祉科学大学の柏木雄次郎先生をはじめ、他のファシリテーターの先生方と交流することが出来たことも、大きな収穫の一つ。
今後の診療につながる、大変有意義な会となりました。

【お知らせ】
このPEACE緩和ケア研修会をベースに、布施医師会にて定期的に緩和ケア研修会を行なっています。
次回の布施緩和ケア研修会は9月15日の予定。
テーマは「医療と介護をつなぐコミュニケーション」です。
皆様のご参加をお待ちしております!

「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」に参加しました

こんにちは。看護師の川邉綾香です。

6月2日~3日に開催された「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」を、かわべクリニックのメンバーのほか、看護師、薬剤師、管理栄養士などの“東大阪の仲間”6名で受講してきましたので、内容をレポートさせていただきたいと思います!

エンドオブライフ・ケア協会は、在宅医療のトップランナーとも言われている、めぐみ在宅クリニック院長の小澤 竹俊先生を中心として、ホスピス・マインドを具体的に学ぶための活動をしている団体です。

→エンドオブライフ・ケア協会について、くわしくはこちらをご覧ください。https://endoflifecare.or.jp/

今回の講座には、医師、看護師、介護士を中心に91名の参加があり、2日間に渡るとても充実した内容でした。

講座テーマは以下の7つ。
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1.課題背景(2025年問題に備えて)
2.人生の最終段階に共通する自然経過
3.苦しむ人への援助と5つの課題
4.意思決定支援
5.自宅・介護施設で求められる症状緩和
6.多職種連携で「援助」を言葉にする(マクロ)
7.1対1で対応する(ミクロ)を講義
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講座を経て、ロールプレイやディスカッションなどのグループワークを行います。


どれも考えさせられ、新しい知見が得られる内容で、この2日間私は色々な気づきを得て大いに学びました。

そして私自身の“道”が、また一歩大きく拓かれました。

『苦しみは、希望と現実の開きである』
この小澤先生の言葉に、かわべクリニックを立ち上げたときの思いを改めて思い出しました。
急性期病院の救急に勤務していたとき、望まない救急搬送や医療を受ける終末期患者さんたちの姿を見て、「患者さん自らが望む形での終末を迎えるために、自分の力を尽くしたい」との思いを抱き、開設したかわべクリニック。
小澤先生も同じ思いで、エンドオブライフ・ケアをより多くの人に広めようとしている。その姿勢に、強い共感を覚えました。

また『死に対して、嫌、怖いと思う人もいれば、穏やかになれると思う人もいる。自分の価値観にあてはめない』との言葉に、私たちができることは何か、を改めて考えさせられました。
「最期は幸せだった」と患者さんたちに思っていただけるために、医療の視点だけでなく、人間だからできる、私たち看護師だからできる心のケアを考えていきたい。
その思いの、第一歩となる研修でした。

今後は、エンドオブライフ・ケア援助士として協会認定を受け、今回受講した東大阪のメンバーを中心に、各現場で個人の実践を積み重ね、学んだ枠組みを活用しながら組織や地域で事例検討を行うなど、継続的に学んでいきたいと思っています。

在宅医療の“要”は看護師です!

在宅医療というと、医師の治療に注目されることもありますが、
私は、在宅医療の“要”は看護師にあると考えています。

医師よりも頻繁に、そして密に患者さまとの時間を持つ看護師の質を向上させることが
在宅医療の質を向上させることにつながります。

患者さまのちょっとした変化に敏感に気づき、臨機応変にケアプランを変更し、
患者さまやご家族さまの不安や疑問を取り除き、まるで親戚のように笑い合い
患者さまの病状を的確に把握して、医師に申し送りをし、
ときには医師に厳しく意見をしたり(笑)!

そんな繊細かつ大胆な気配りと行動ができる看護師こそが
これからの在宅医療を支える大きな力になると、私は信じています。

だから私は、看護師さんを心から尊敬しているのです(笑)。

在宅医療をご検討しているかたは、医師だけでなく、看護師さんにもご注目ください。
「この看護師さんなら、信頼できる!」
そう思える看護師さんがいるクリニックを選ぶことが、
納得できる在宅医療の第一歩だと思います。

第13回 布施緩和ケア研修会を開催しました

5月19日(土)に布施医師会館にて、大阪赤十字病院消化器内科福原学先生をお招きし、「第13回 布施緩和ケア研修会」を開催いたしました。

今回は、52名という多数の参加をいただき、しかもその半数以上が看護師の方でした。スタート当初は約20名の参加者だった本会が、徐々に地元の医療関係者の方に浸透してきていることを実感し、大変うれしく思いました。

福原先生による「悪心・嘔吐、消化管閉塞」をテーマとした講義の後、
かわべクリニックの看護師 川邉綾香が「バッドニュースを伝えられていない終末期の患者・家族に対し、いかに説明を行うか~」をテーマに事例検討を行いました。
「看護師がアセスメントを行う重要性」についての熱意ある発表の後、参加者とのディスカッションや質疑応答もあり、大いに盛り上がった会になりました。

次回の研修会は、「医療と介護をつなぐコミュニケーション」をテーマに、9月15日(土)に行います。

医師、看護師、介護士、そのほか緩和ケアに関連する職種の方であれば、どなたでもご参加いただけます。
ご参加のお申込みは、布施医師会事務局(担当:真田さん)あてに、お電話またはFAXにてお願いいたします。
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 電話番号:06-6721-1919
 FAX番号:06-6721-5838
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個人参加の場合は、当日の受付も可能です。
みなさまのご参加をお待ちしております!

かわべクリニックの思い

がんの終末期を迎えた患者さまは、どのような最期を迎えたいのか。
ご家族さまは、患者さまの最期をどう看取りたいのか。
「自宅で最期を迎えたい」と願う患者さまのために、
医師・看護師としてできることはなにか。

そのような思いから、私たちはかわべクリニックを立ち上げました。

病院を離れ自宅で過ごすことに、ほとんどのご家族さまは不安を覚えることでしょう。
そんなご家族さまの心の負担を少しでも軽くするのが、私たちの役目です。

「自宅で家族の声を聞きながら過ごしたい」
「慣れ親しんだ我が家で、家族とともに暮らしたい」
「痛みのない、穏やかな最期を迎えたい」

その願いをかなえるために、医師として、看護師としてできることを、
24時間365日行っています。

患者さま一人ひとり、病状や進行は異なります。
患者さま一人ひとり、ご家族さま一人ひとりに寄り添い、
「チーム」として終末期の在宅医療を支える。

私たちは、そんなクリニックでありたいと、願っています。