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皮膚ケア緩和ケア講演会3(オンライン)を開催しました。

令和4年7月23日(土)にオンラインにて、「皮膚ケア緩和ケア講演会3」を開催しました。
マルホ(株)さまのご協力のもと、看護師をはじめ医療介護職を中心に多くの皆さまにお声がけいただき、受講者は総勢132名でした。

本講演会に多くの方のお申し込み、ご参加いただけているのも、主催いただきましたマルホ(株)様、アルフレッサ(株)様、及び東大阪プロジェクト事務局の皆さまのおかげです。
本当にありがとうございます。

以前からお伝えしておりますように、東大阪プロジェクトにおける講演会・研修会は、医師や看護師などの医療職に加え、介護職など多職種に門戸を広げています。
今回も、東大阪プロジェクト代表で司法書士の福村雄一先生に司会を担当していただきました。

【講演1:皮膚ケア】
皮膚ケアでは「なぜ私は皮膚科の往診を続けるのか〜皮膚科医師として在宅医療を行う熱い思い〜」と題し、ちとふな皮膚科クリニック院長 江畑俊哉生に講演をいただきました。

私の学びを共有させていただくと…

1)皮膚科在宅医療の現状
・在宅療養者における皮膚疾患 頻度70.5%
皮膚真菌症、湿疹・皮膚炎、褥瘡、おむつかぶれ
・高齢者入所施設における皮膚疾患 頻度70.1%
皮膚真菌症、湿疹・皮膚炎、掻痒症、良性皮膚腫瘍、褥瘡
・在宅主治医が連携を必要とした診療科(東京都在宅医療実態調査 2017)
歯科、皮膚科、整形外科、眼科…
・皮膚科による往診は必要でしょうか?(日臨皮会誌2014)
全国のケアマネージャー、訪問看護ステーションへのアンケート結果
94.5%が必要と回答
(必要性は非常に高い(56.9%)、ないよりはあった方が良い(37.6%))
・往診する皮膚科医の割合(日臨皮会誌2018)
減少の一途
(62.6%(2000年)→61.7%(2008年)→47.1%(47.1%))
・往診する皮膚科医の年齢層は60代が最も多い(2016)
・往診しない理由(日臨皮会誌2018)
日常診療で手一杯、体力的に無理
往診では十分な診療ができない
経営的メリットがない、保険請求に理不尽な問題点あり
・世田谷区医師会内に在宅医療委員会を設置
皮膚科医メーリングリストでの呼びかけにより皮膚科往診マップを作成

2)私の場合(ちとふな皮膚科クリニック)
・往診 新患数 161名、月平均延べ人数 106名(2020年)
・往診 毎日、自転車または軽自動車(車で30分以内)、紹介を受けての臨時往診
・往診依頼書 記載後、ファックスを送ってもらい、往診日時を設定
・往診皮膚疾患の内訳
褥瘡・皮膚潰瘍(30.3%)、湿疹皮膚炎(29.4%)、爪トラブル(14.7%)、真菌症(6.9%)、皮膚腫瘍(4.9%)

3)各論 疥癬、褥瘡、真菌症、爪のトラブル、皮膚腫瘍
・疥癬(scabies)とは(詳細は略)
疥癬の皮疹は湿疹との鑑別が難しい
疥癬トンネル
疥癬を見逃さないために
診断が重要だが、治療も月単位、解除の判断も専門医の関与は必要
・褥瘡 皮膚の圧迫による虚血性壊死。いわゆる床ずれ。
治療の基本は、除圧、局所治療、栄養管理
・IAD(失禁関連皮膚炎)
・在宅で遭遇する皮膚潰瘍
褥瘡、糖尿病性潰瘍、虚血性潰瘍・閉塞性動脈硬化症、静脈うっ滞性潰瘍
・診断に自信が持てないとき、第3度以上の褥瘡、軽快傾向にない場合、壊死組織除去が必要、外用薬の選択に迷うときは皮膚科に紹介を!

4)まとめ(抜粋)
・地域差はあるが、往診する皮膚科医の数は減少している。
役に立つなら要請に応じたい、皮膚科医としての使命
・往診の魅力は地域連携の枠組みの中で多職種からなるチーム医療を成し遂げて、患者さんが治った時の達成感、充実感、連帯感

参加者のみなさまからいただいた、ご感想の一部をご紹介します。

・疥癬など画像を出していただきながらだったので、興味深く拝聴させて頂きました。

・往診してくれる皮膚科医師を初めて知りました。チームとして動いてくれる先生は良いです。

・皮膚科の視点はとても大切なのに、見過ごされがちです。
ですので、今回は本当に勉強になりました。ありがとうございます。

・高齢者がなりやすい皮膚疾患の話がとてもわかりやすかったです。
そこから在宅ケア、連携につながり、知識を身につけた上でみんなで評価していくこと、その患者さんの希望や環境に合わせたケアにしていくことが大切だと実感できました。

・やっぱり皮膚科医の講演はタメになります!
特に、すぐに抗真菌薬を出さずに2週間待ってから検鏡するのは皮膚科医ならではだと思いました。

【講演2:緩和ケア】
緩和ケアでは、「なぜ私は穏やかさを求め続けるのか〜看護師として褥瘡ケアを行う熱い思い」と題して、かわべクリニック看護師 川邉綾香が講演を行いました。

人生の最終段階に関わる私たちが意識しておくこと
それは、
褥瘡は治すことが全てではなく、悪化させない、不快感を軽減するといったケアが大切である場面もあるということ。
ひとりが評価するのではなく、訪問チームとして、みんなで評価すること。
患者さん、家族さんを中心として、目標のベクトルを合わせ、ケアの提案を行うこと。
これらがうまく整ったとき、穏やかなケアにつながるのではないでしょうか。

ひとつの事例(皮膚ケア)を通して、 援助的コミュニケーションの大切さを学べる形式になっています。
患者さまを主語に考えたときに、緩和ケアと重なることが多くあります。

是非、配布資料をご用意いただき、動画(ノーカット)でご覧ください。


※クリックするとPDFをご覧いただけます。

こちらも、参加者のみなさまからいただいたご感想の一部をご紹介します。

・褥瘡の方の最後の「ピアスのようなものだから」衝撃を受けました。
私もあのような状態が長い利用者さんがいます。
毎日交換に行ってますが、これ以上治らないのか?切開してもらったらよいのではないか?などと思っていました。
感染しないようにケアしていきたいです。

・褥瘡などは薬の使い分けや改善していく経過がわかりやすかったです。
デザインの評価を考えることができたのも良かったです。
共通の評価ができるように褥瘡teamsで参加したかったと思いました。

・綾香先生の主語が患者ということに、皮膚科医も関わることで患者への支援のベクトルが太くなっていることが伝わりました。
医療職でないので、たくさんの褥瘡治療の症例を拝見し勉強になりました。

・今日の褥瘡の方のケースのように、患者さんが主体のプランになるよう、褥瘡のケアについてもさらなる学びと実践を重ねていきたいと思います。
地域連携ではささいなことでも確認しあえる関係をめざしていきたいと思います。

・DESIGN-Rをつけることが職場においては作業的になってしまい意義を再認識できた
皮膚疾患の勉強がかなり出来ました。

・やっぱり綾香さんの講演は聞いていて引き込まれます。
これからも応援しています。
私も日々自分のためでなく利用者のため、利用者にとってどうすることが1番なのか、穏やかに過ごせるんだろうかと思いで仕事をしています。
そこはぶれないように心がけています!

また運営についてもご感想をいただきました。

・内容も時間も適切で、大変勉強になっています。また、連絡お待ちしています!

・日々のご活動ご苦労様です。研修会に参加させていただき、本当に感謝申し上げます。
これからも皆様の活動がさらに広がることを期待しております。

・結果は直ぐにでませんが、地道にコツコツやっていきます。
いつも研修に参加した後は頑張ろうと力をもらいます。

・毎回この研修がとても楽しく、仕事の励みにつながっています。
日々お忙しいなか研修の準備など本当にありがとうございます!

・医療職場でない者でも気軽に勉強する機会をいただきありがとうございます。
東北の田舎に住んでいても学ぶ事が出来嬉しいです!

また、下記のような建設的なご意見もいただけました。

・今後の連携の仕組みが整い皮膚科の先生にコンタクト取りやすい状況になれば良いなと思いました。
また自分たちのアセスメント能力の向上に努めなければと勉強になりました。
往診可能な皮膚科が本当にすくなくて在宅でも利用者様に通院してもらわないといけなかったりするので、東大阪でも往診可能な皮膚科医のリストがあればいいのにとおもいました。
また皮膚科だけでなく、眼科も往診していただきたい。

・既に承知している内容だった

東大阪プロジェクト
出会うことで人が動き出し、ともに未来を変える
~穏やかなエンディングをみんなで~

今後も研修会を定期的に行ってまいります。
ぜひ、ご参加ください。

【今週の東大阪プロジェクト】
東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます

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【地域連携×東大阪プロジェクト(参加費無料)】
対象者の限定を解除します!(どなたさまでも参加できます)
是非ご登録ください!

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地域連携をとことん考えます。
街づくりのスペシャリスト・糟谷先生と共に考えてみませんか?
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【地域連携×東大阪プロジェクト 第2弾!】
日時:令和4年10月15日(土)18:00~21:00(17:45開場)
定員:オンライン 80名
対象:どなたさまでも
講師:糟谷明範 先生

<注意>
グループワークがあります(4名程度)
画面をオンでの参加をお願いします。

★チャンネル登録お願いします★

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