• かわべクリニック
    • 在宅療養支援診療所

      医療法人綾正会かわべクリニック

      内科・緩和ケア内科・呼吸器内科

  • 〒577-0843 東大阪市荒川3丁目5番6号 MMビル203

    TEL : 06-4309-8119FAX:06-4309-8118

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縁起でもない話をしよう会・第4回東大阪プロジェクトを開催しました

東大阪プロジェクトは、顔が見える関係を重要視しています。
それはクレドにもあるように、お互いがお互いを支える形に、語り合う場があれば自分自身を知ってもらう機会になり、関係性が広がると考えているからです。

そのような機会のひとつが「縁起でもない話をしよう会」です。

この会は、医療や福祉に関わる方々と地元の人々が参加する、鹿児島・妙行寺発の地域交流イベントです。
普段はあえて口には出さない「縁起でもない話」を語り合おう!みんなで!という趣旨の会で、これからの人生をいかに生ききるかを考える、きっかけ作りの一環となっています。

東大阪プロジェクトでは、この「縁起でもない話をしよう会」を2月6日(土)にオンラインにて開催いたしました。
テーマは、「ゆらぎを感じてみませんか〜もしバナゲーム〜」。
基調講演は、大阪国際がんセンター腫瘍皮膚科・もしバナマイスター 大江秀一先生にお願いしました。


*クリックすると配布資料がPDFでご覧いただけます。

あなたならどうしますか?という質問から、スライドが始まります。
一緒に考え進める中で、「選ぶべきはAかBか」とまさしく「ゆらぎ」を体験。
「プロスペクト理論」といった行動経済学を用いて医療を解き進めていきます。

「QOL(生活の質)を保ち、残された時間を有意義に使う」という利得よりも、
「積極的治療をやめることで、確実に病気が進行する」という損失の方が、価値が大きく感じられてしまう。

そして最後に、
「あなたの大切な人の状況であれば、どれを選びましたか。
なぜ、それを選んだのですか。」
との問いかけ。
改めて、自分自身の気づきにもなりました。

後半は、もしバナゲーム(浜松方式)を行いました。

「もしバナゲーム」って?
『人生の最後にどうありたいか?』
多くの人が大切とわかっていながら、なんとなく避けて通っている話題です。
「もしバナゲーム」は、あなたと大切な誰かがそんな「もしものための話し合い(=もしバナ)」をするきっかけを作るためのゲームです。

ブレイクアウトルームを用い、各グループ5名(うち一人はファシリテーター)に分かれてゲームを行いました。
その感想を共有させていただきます。

余命が半年、1ヶ月と違うパターンでのもしバナゲームは、リアリティがあり、あらためて何を重視したいか自答できた。

初めて、もしバナカードを拝見し、自分自身の発見や他の参加者の方々の意見や想いを聴くことができて、沢山考えるキッカケを頂きました。
ACPについてもっともっと知りたい、考えたいと思いました。

自分のもしもを、話せる体験と他人の考えるもしもの話を聴かせていただく機会となったことは、仕事を通じて患者、家族への関わりに生かしたいと思いました。
仕事だけでなく、自分自身の人生の終わりについて折にふれるため、またもしバナゲームをやりたいと思いました。

もしバナを行い、以前と違ったものを選び自分でも驚きました。
最近受け持ち患者さんが亡くなったことが自分の中に影響しているのかなと感じました 。
改めて自分を見つめ直し、考えるきっかけになりました。

自分を知ること、自分の感じ方に気づくこと、相手を知ること、相手との違いに気づくこと、考え方は固定的ではないことなど、たくさんの気付きを得ることができました。

会全体を通しての感想も共有させていただきます。

自分自身も含め、数々の『もしも』の場面に関わらせていただき、 その経験をもとに『もしもを考えることの大切さ』を 自分事に感じていただけるような機会を作っておりますが 【今の自分や親には関係ない】【気にはなるけどできれば考えたくない】と思っている方が多いことを痛感します。
もっと自分ごとに感じていただけるようなきっかけを『もしばなカード』で…と思い、購入しましたがオンラインでどう打ち出そうかと悩んでおりました。
本日のセミナーで『自分ごとにしてほしい』という想いを、もろに『私自身』で考えることができ、本当に考えさせられることが多く、またブレイクアウトルームでシェアすることで、それぞれのお立場(私のルームではほぼ専門職の方でしたので)、家族環境などから、皆様がみてこられた現状やご経験、考え方、価値観をお聞きすることが出来ました。
大江先生のお話はもちろん、全てにおいて、貴重で有意義な機会をいただきました。

「人生会議」が一時期新聞やテレビでネガティブに報道されたことがありましたが、誰にでも訪れる人生のエンドステージについて考える事の大切さを再認識させていただきました。

医療・介護関係の方々とお話する機会は普段ないので、本当に新鮮で、いろんなことに気付かせていただき、感謝いたします。

たまたまFacebookのイベントを拝見して参加させていただけたこと、また、企画をオンラインで発信していただけたことに、心から感謝しております。
オンラインでなければ無理でした…。ありがとうございました!

とても温かい雰囲気で 阿吽の呼吸、チームワークの良さが素敵だと思いました。
現在 静岡在住ですが 生まれも育ちも奈良県ですので 根っからの関西人。
久しぶりに関西が恋しくなりました。

参加者の皆様と、非常に多くのことを語りあえた会になったと自負しています。
これからも「縁起でもない話をしよう会@東大阪」は、「自由に語っていただける場」を提供していきます。

東大阪プロジェクト
出会うことで人が動き出し、ともに未来を変える
~穏やかなエンディングをみんなで~

【第24回布施緩和ケア研修会(オンライン)】
日時:3/24(土)18:00~20:00
定員:200名程度
対象:どなたさまでも(地域制限はありません)
タイトル:緩和ケア×そのひとらしさ×存在
今回は「精神疾患」を取り上げ、講演会を行います。
大阪国際がんセンター 和田信 先生、『精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本』(医学書院)などの著書で知られる 小瀬古伸幸 先生にご講演をいただき、同テーマでミニシンポジウムを行ないます。
▼詳細については、以下記事をご参照ください。
https://www.facebook.com/events/238409444341109
▼お申し込みは下記からでも出来ます
https://17auto.biz/fuseishikai/registp.php?pid=2
◆くわしくは、ここをクリックしてチラシでご確認ください◆

【縁起でもない話をしよう会・第7回東大阪プロジェクト(オンライン)】
日時:4/10(土)18:00~19:30
定員:30名程度
対象:どなたさまでも(地域制限はありません)
<前半>
話題提供:社会福祉士という仕事
講師:社会福祉士 田中宏幸 先生(ELC認定ファシリテーター)
<後半>
話題提供を受けての語り合いの時間。
5名程度のグループとなり、自由に縁起でもない話をしていただけます。
▼詳細については、以下記事をご参照ください。
https://www.facebook.com/events/185341479613994
▼お申し込みは下記からでも出来ます
https://88auto.biz/higashiosaka/touroku/entryform6.htm
◆くわしくは、ここをクリックしてチラシでご確認ください◆

【第13回ELC東大阪学習会(オンライン)】
日時:4/22(木)18:00~19:30
定員:15名程度
対象:どなたさまでも(地域制限はありません)
タイトル:苦しみ人へ関わるための“聴く力”~反復・沈黙~
訪問看護ステーションリール 看護師 北村愛美 先生が講師を務めます。
詳細については、以下記事をご参照ください。
https://www.facebook.com/events/728501811192424

【皮膚ケア緩和ケア講演会・第6回東大阪プロジェクト(ハイブリッド形式)】
日時:5/8(土)18:00~20:00
定員:会場 100名(東大阪市文化創造館小ホール)
オンライン 300名
対象:どなたさまでも(地域・職種に制限はありません)
話題提供:皮膚ケア・緩和ケア
第一部:18:00から
「皮膚科医が伝えたい!ちょっぴり残念な褥瘡ケア」
札幌皮膚科クリニック 院長 安部正敏 先生
第二部:19:00から
「訪問看護師が伝えたい!ちょっぴりホットな緩和ケア」
かわべクリニック 看護師 川邉綾香 先生
詳細については、以下記事をご参照ください。
https://www.facebook.com/events/776380529952393
◆くわしくは、ここをクリックしてチラシでご確認ください◆

【第14回ELC東大阪学習会(オンライン)】
日時:5/27(木)18:00~19:30
定員:15名程度
対象:どなたさまでも(地域制限はありません)
タイトル:苦しみ人へ関わるための“聴く力”~問いかけ~
訪問看護ステーションリール 看護師 北村愛美 先生が講師を務めます。
詳細については、以下記事をご参照ください。
https://www.facebook.com/events/245447467180413

【看取りの報告書】AFさまのこと

クリニックでは、患者さまが最期の時間を過ごされたご様子を「看取りの報告書」としてまとめています。

今までかわべクリニックがお見送りをした患者さまの「看取りの報告書」を、担当看護師の思い出と共にご紹介していきたいと思います。

AFさまのこと
子供のように無邪気な笑顔の姉
~認知症って悪くないのかもね~

いつもお世話になっております。AFさまについてご報告させていただきます。

当クリニック介入前より、懇意にしている訪問看護師からAFさまについて、たびたび相談を受けておりました。
同居されている妹さまが多忙な合間に受診をすることが難しく、出来る限り自宅での対応は可能か、という内容でした。
そこで医療ソーシャルワーカーを通して、主治医と連携が図ることが可能となり、併診を開始いたしました。

腫瘍からの易出血に対して、放射線治療を実施。
通院回数を考慮していただいたおかげで、負担を最小限に抑えながら治療を受けられたことに感謝されていました。

しかし、原発巣からの出血は続き、たびたび夜間に訪問看護師が止血に走るなど、妹さまの不安を軽減するために対応。
放射線治療が終わった頃よりADLが低下し、体力的に通院は困難と判断。
在宅での症状緩和を中心に対応させていただきました。

AFさまは認知症があったため、がんである認識はなく、常に「みんなにこうやって良くしてもらって嬉しいわ」と感謝の気持ちを伝えられていました。
一方、妹さまは一週間ほどの休みの都合をつけることが出来、AFさまに付き添われていましたが、徐々に姉の病状の進行を不安に感じ、緩和ケア科入院の意向を口にされる場面が増えました。
AFさまにとって、また妹さまにとってどこで過ごすことが穏やかなのか。
今のAFさまが決して苦しそうではないことなど、これから迎える死について説明を行い、そのフォローを訪問看護師と連携して行いました。

そして、訪問看護師と妹さまに見守られる中、安らかに永眠されました。
ご紹介ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。

[ケアを振り返って]
高齢化が進む中で、認知症のある方が癌を患うケースも珍しくありません。
AFさまの場合も、胸部に異変が出現した頃には乳がんの末期状態でした。
胸から出血するたびに「どうして?また、肌荒れが…」と不思議そうな表情をされていましたが、それが癌であることはわからず、処置をすると「親切にどうも~」とお礼を言ってくださる方でした。

一方、妹さまは主治医から厳しい説明を受け、抱えきれない不安と共に、急なAFさまの介護、そして現役で働いておられたため自身の生活の維持をしていかなければならない難しい状況でした。
しかし訪問看護師の「地域のみんなで支えさせてもらってもいいですか?」の一言で、妹さまの気持ちが解き放たれたのです。

毎日のヘルパーさんの促し、見守り、声かけ、訪問看護師の処置・観察、そして訪問診療。
空白の時間はあるけれど、連絡ノートを通して連携を行い、誰かが関わり妹さまの留守をサポートする。
そんな療養でした。

妹さまより
「最期、一人で姉を看取るのは怖かったから看護師さんに来てもらいました。
そして、こうやって姉の手を取り、見送れて本当によかった。
病院では味わえなかったいい時間を過ごす事ができて、みなさまのおかげです。
ありがとうございました。
姉は最期まで自分の病気もわかっていなかったようで自由に過ごしていたけど、訪問に来てくれた人に感謝を忘れず、素敵な最期でした。」

認知症において大切なのは、その方の環境を変えないこと。
それが認知症の悪化を防ぎます。
でもそのために、介護している人の負担や不安が増えることもあります。
その時は、わたし達「地域のみんな」がいます!
『支えるメンバー』さえ揃えば、その人らしく穏やかに過ごせると感じています。

【第24回布施緩和ケア研修会(オンライン)】
日時:3/24(土)18:00~20:00
定員:200名程度
対象:どなたさまでも(地域制限はありません)
タイトル:緩和ケア×そのひとらしさ×存在
今回は「精神疾患」を取り上げ、講演会を行います。
大阪国際がんセンター 和田信 先生、『精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本』(医学書院)などの著書で知られる 小瀬古伸幸 先生にご講演をいただき、同テーマでミニシンポジウムを行ないます。
▼詳細については、以下記事をご参照ください。
https://www.facebook.com/events/238409444341109
▼お申し込みは下記からでも出来ます
https://17auto.biz/fuseishikai/registp.php?pid=2
◆くわしくは、ここをクリックしてチラシでご確認ください◆

【皮膚ケア緩和ケア講演会・第6回 東大阪プロジェクト】
日時:令和3年5月8日(土)18:00~20:00
定員:会場 100名(東大阪市文化創造館小ホール)
   オンライン 300名
対象:どなたさまでも(地域・職種に制限はありません)
話題提供:皮膚ケア・緩和ケア
第一部:18:00から 
皮膚科医が伝えたい!ちょっぴり残念な褥瘡ケア
札幌皮膚科クリニック 院長 安部正敏 先生
第二部:19:00から
訪問看護師が伝えたい!ちょっぴりホットな緩和ケア
かわべクリニック 看護師 川邉綾香
▼詳細については、以下記事をご参照ください。
https://www.facebook.com/events/776380529952393
▼お申し込みは下記からでも出来ます
https://88auto.biz/higashiosaka/touroku/entryform5.htm
◆くわしくは、ここをクリックしてチラシでご確認ください◆

【看取りの報告書 バックナンバー】
・AEさまのこと
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中河内医療圏がん診療ネットワーク協議会緩和ケア部会研修会で講演を行いました

こんにちは。院長の川邉正和です。

私たちは東大阪プロジェクト「出会うことで人が動き出し、ともに未来を変える~穏やかなエンディングを」の一環として、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)、緩和ケアに関する講演を行っています。

今回は、中河内医療圏がん診療ネットワーク協議会緩和ケア部会が主催する研修会にて講演をさせていただきました。

テーマは「ACPを共に考え、ともに語ろう!」。

基調講演は、淀川キリスト教病院 池永昌之先生、若草第一病院 山本直美先生。
具体的に考える機会を作ることの大切さ、自分らしく生ききるためには想いを伝えておくことが大切だということ。
患者さま目線での治療、ケアを行うには、「あなたはなぜそう思うのですか?」という言葉がけが有効で、自分らしく「生ききる」サポートを心がけていると。
患者さまの想いを地域で共有していくために実践していること(ACP冊子の活用)についてご報告いただきました。

また座長を勤められた進藤喜予先生からは
相手の話を聞く際にはアンケートにならないこと
コロナ禍においてマスク着用が必須の現状で、マスクからはみ出るくらいの笑顔も必要であること
を学ばせていただきました。

私は「在宅バージョン」と題し、ACPを共に考える上での在宅医の役割、コロナ禍に感じることを講演させていただきました。
伝えたかったことは、「対話により、その時の気持ちを聴き、実現に向け地域で関わる」ということ。


では、全編をご紹介します。


かわべクリニック
在宅訪問診療でも緩和ケアを主としたクリニックで、
人生の最終段階を意識した時に出会うことが多いクリニックと言えます。


簡単に自己紹介させていただきます。
私は大阪生まれの大阪育ち。
ご縁があって、大学および研修医時代の8年ほどを福井で過ごしました。
その福井なのですが、先日、大雪で除雪作業が間に合わず、幹線道路は麻痺。
友人のクリニックも大雪に見舞われ、駐車場も一日で真っ白。
3年前にも豪雪を経験していたのですが、特に対策はしていなかったとのこと。
やはりキケンを事前に察知することは大切ですね。


「キケンを察知」は医療も同じ。
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)は事前対策。
もしものときのために、あなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組のことです。

自動車保険や火災保険も同じです。
事前に対策をしておけば、すごくパワーを発揮しますよね。


では、その話し合いっていつやるのでしょうか?
先ほどの火災保険などは、こちらのスライドですと、「健康な時」や「病気になった時」」になるかと思います。
かわべクリニックに来られる方のほとんどが、「最終段階を意識する時」です。
それまでにも話し合いをされていたかもしれません。
ただ、時期により話し合う内容や気持ちは変わるものです。
だから、改めて、この時点でも話し合う機会を持つことが大切になります。


では、この最終段階を意識する時にどのようなことを話し合うのか。
この対話により、その時の気持ちを聴き、実現に向け、地域で関わる。
そう、クリニックだけの問題ではないんです。

関わる地域スタッフみんなで本人・ご家族の思いを共有します。
こんなコロナの時期ではありますが、密とならないように配慮し、初回訪問の際には全ての職種の方が揃うように心がけています。

そこで、
受けたい医療の希望
希望する療養場所
などなど、いろいろの思いを共有します。


ここで事例を紹介します。
Aさん 70代後半女性
大腸癌末期状態、多発肝転移
既往:脳梗塞後遺症
家族構成:夫とのふたり暮らし。娘は神戸在住。
左不全麻痺があり、訪問介護・デイサービスを利用し生活。
夫は、多系統萎縮症で寝たきり。実は・・・3年前から夫の在宅医として介入していました。


ある日、Aさんの夫を担当している訪問看護師から。情報提供あり。
「Aさんが側腹部痛のため、O病院を受診したら、大腸癌末期、多発肝転移と診断されました。
Aさんも夫と一緒にかわべクリニックで診て欲しい。
元々、Aさんにはかかりつけ医院には定期受診されていたのですが、その先生は往診での対応は困難との返答があったので、O病院からの紹介状を待ってくださいとAさんが言われています」とのこと。
私は診療情報提供書を待つこととしました。


その翌日、娘様より
「母が39℃の熱があります・・・」と悲痛な叫び。
診療情報提供書は届かなかったものの緊急事態だったため、感染予防対策を行い、緊急往診の運びとなりました。
症状緩和の処置、インフルエンザ抗原検査陰性、COVID-19抗原検査陰性。

ここで大切なACPを行います。


見たことがある方も多いと思いますが、
いわゆる 病の軌跡 の中の がんの軌跡 です。

まぁまぁとは、ひと月経っても大きな変化がなければ、月の単位。
だんだんとは、1週間前と様子が違えば、週単位。
というようなグラフになります。

かわべクリニックでは、だんだんからどんどんの時期・タイミングで関わることが多いんです。

この軌跡を踏まえてみると…


まず、予後予測をするために、ここ最近の詳細を確認。
2カ月前から微熱経過であったことや腰背部痛などの諸症状の出現はあったとのこと。
PS(全身状態)などを含め予後1ヶ月未満と推測。
そして、ようやく診療情報提供書が手元に届きました。

だんだんからどんどんの時期のACPを行います。


Aさん:夫のそばにいたい。けど、痛みとかどうなるのかな。苦しむのかな。娘に迷惑をかけるなら入院したほうがよいのかな。でも入院すると家族に会えなくなる。
夫:何にもしてあげられないけれど、お願いだからそばにいて欲しい(涙)
娘さん:今は母のために出来ることはしてあげたい。孫を連れてしばらく泊まり込みで過ごすことにします。コロナでなければ、入院でもと思うかもしれないが、この状況なので、最期まで家で過ごさせてあげたい。


突然のがんの宣告で動揺もありましたが、動けない難病の夫とベッドを並べ、最後まで自宅で過ごす事を選択。
その選択を悲しみつつも一緒に過ごせることを喜ばれ涙する夫。
そして、両親を懸命に支える娘さん。
ベッドの導入、ヘルパーの介入など、環境調整はすぐさまケアマネージャーが設定。

そして、癌の診断から21日後、安らかに永眠されました。


私が伝えたいこと
いつでも どこでも 誰とでも
もしもの時を話し合える ACP

ご清聴ありがとうございました。

改めて、伝えたかったことは、「対話により、その時の気持ちを聴き、実現に向け地域で関わる」ということ。
クリニックだけではなし得ません。

東大阪プロジェクト
出会うことで人が動き出し、ともに未来を変える
~穏やかなエンディングをみんなで~

今後も研修会を定期的に行ってまいります。
ぜひ、ご参加ください。

【第24回布施緩和ケア研修会(オンライン)】
日時:3/24(土)18:00~20:00
定員:200名程度
対象:どなたさまでも(地域制限はありません)
タイトル:緩和ケア×そのひとらしさ×存在
今回は「精神疾患」を取り上げ、講演会を行います。
大阪国際がんセンター 和田信 先生、『精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本』(医学書院)などの著書で知られる 小瀬古伸幸 先生にご講演をいただき、同テーマでミニシンポジウムを行ないます。
▼詳細については、以下記事をご参照ください。
https://www.facebook.com/events/238409444341109
▼お申し込みは下記からでも出来ます
https://17auto.biz/fuseishikai/registp.php?pid=2

◆くわしくは、ここをクリックしてチラシでご確認ください◆

『できる看護師シリーズ』
看護記録(SOAP)が書けないあなたに!
(1)今日の看護の目的は何!?

こんにちは。看護師の川邉綾香です。

看護記録(SOAP)を書くのが苦手、という方はいらっしゃいませんか?
実は私も昔は看護記録が苦手でした。

看護学生時代、実習記録を提出すると、先生の字(赤ペン)で 「なんで?」「何を?」「根拠は?」「なぜそう考えたの?」と真っ赤になった記録用紙が返ってきたことを思い出します。

看護記録も採血と同じで何度も書く練習をすることが大切です。
そして、書いた内容を読み返し、振り返ることが大切です。
その訓練の積み重ねで、素敵な看護記録が書けるようになります!

様々な書籍などでHow toが示されていますが、もっと「手っ取り早く」書き方のノウハウを学べるものがない。
そんな忙しいあたなに、毎月1回の5回のシリーズで、すぐに、明日から使える看護記録(SOAP)の実践例を紹介します!

【看護記録(SOAP)が書けないあなたに!事例を通して学ぶ】
(1)今日の看護の目的は何!?
(2)抽象的な事を書いて計画を立案した気になってはいけません!
(3)実施内容はOじゃないんです!
(4)もっとアセスメントを深めなさい!
(5)初回訪問で見えてくる患者像

では、今回のテーマ
(1)今日の看護の目的は何!?
の事例をご紹介します。

【事例1】
Aさま 80歳男性 長男夫婦との3人暮らし 認知症
5日前に自転車に乗って一人外出。路上で転倒し頭部打撲。通りかかった人に助けてもらい、救急車搬送。頭部CTにて異常を認めず、帰宅となりました。

いかがでしょうか?

次回は
(2)抽象的な事を書いて計画を立案した気になってはいけません!
をお届けします!

第23回布施緩和ケア研修会・総会(オンライン)を開催しました。

昨年12月12日(土)に、オンラインにて「第23回布施緩和ケア研修会」を開催いたしました。

新型コロナウイルス流行に伴い、同研修会をオンライン化してから早や4回目の開催です。
布施医師会事務局や医療介護支援コーディネーターのご協力もあり、運営は非常にスムーズとなっています。
直接お目にかかれないのは残念ですが、遠方の方もご参加いただけるようになったことがせめてもの救いでしょうか。
Zoomビデオウェビナーの使用も慣れて、シンポジウムなどでも新しい取り組め、無事オンラインで開催することが出来ましたことに、感謝いたします。

以前からお伝えしておりますように、布施緩和ケア研修会は、医師や看護師などの医療職に加え、介護職など多職種に門戸を広げています。
また今回から東大阪プロジェクト代表福村雄一先生(司法書士)にも司会に加わっていただきました。
今回も100名を超える参加応募があり、最終的な受講者は、医師16名、看護師48名、ケアマネージャー4名、薬剤師9名、相談員3名の総勢126名でした。

第23回となる今回は、第一部に「早期からの緩和ケアについて」と題して、早期緩和ケア大津秀一クリニック 大津秀一院長に基調講演をいただきました。
簡単にスライドをご紹介させていただきます。


※クリックするとすべてのスライドがPDFでご覧いただけます。

早期緩和ケアが行われた症例は、中央値で3ヶ月の差をもって長生き出来るというデータを示し、緩和ケアの大切さを提示。
また緩和することはあくまで手段であり、目的はQOLを改善することにあるということを強く説明されていました。

第二部は「Aさんとの出会いから穏やかな旅立ちまでの477日間~」と題して、訪問看護ステーションリール管理者北村愛美さん、特別出演で葛西医院 小林正宜院長より事例紹介をいただきました。
こちらも簡単にスライドをご紹介させていただきます。


※クリックするとすべてのスライドがPDFでご覧いただけます。

主人公・主語が患者さまであるという視点を忘れず、全ての職種が得意分野を活かし、連携された一例でした。
この一例がうまくいって良かったねと済ますのではなく、私たちが医療・介護を提供するにあたり、これからどのように対応すべきなのか。
つまり主人公が患者・ご家族さまであることの大切さを教訓として示されたのではないでしょうか。

最後に演者である大津先生、小林先生、北村さんに加え、福村雄一先生、川邉綾香、川邉正和で「早期緩和ケア」をテーマにミニシンポジウムを開催しました。

私たち在宅訪問診療・看護を行なっているスタッフは、抗がん剤治療を行っている病院主治医の悩みを少しでも軽減したい、支えになりたいという話が強く印象に残りました。

研修会終了後、参加者のみなさまから多数のアンケート結果を頂戴しました。
いつもに増して主催者の想いがしっかりと伝わっていることが分かり、涙が出るほど嬉しく思います。
そのうちのいくつかを、こちらでもご紹介させていただきます。

病院と在宅の壁を超え、1人の患者さんを地域みんなで支える事の素晴らしさを改めて実感しました。
早期緩和ケア、病院で診断治療しながら、かかりつけ医を作り、在宅と病院の医師が連携さして治療ができると、患者にとってこころ強いし、その人らしい人生を送る事ができる。でも病院の医師たちを変えるのは難しいです。
よかった事例を実感した医師は、在宅へ繋いでくれるようになってきました。お互いの情報提供のやりとりで密に連携したり、亡くなったときに、どうだったかなど様子を報告し合う事が大切だとおもいました。
化学療法中から一緒に見て行けたら、いいなと思いました。ありがとうございました。

緩和ケアに対する認識について勘違いしていた部分について理解することができ大変勉強になりました。
また、普段は立場上言わない方が良いと判断したことや、言っても良いか判断に迷うことなど、深く掘り下げた内容についてもお話があり、自分だけじゃなく、時に迷われることがあり、試行錯誤を繰り返し、患者さんやその家族に対してよりよいものを考えていくことが大事なんだと感じました。

アンケートの続きを読む
早期からの緩和ケアは、なかなか意識して行われていない気がします。
緩和ケアは終末期だけのものではないという、まず私たち医療者の意識を変え、患者さんに理解して頂けるようにすることが必要だと講義を聴きながら思いました。
まだまだ緩和ケアは、”治療法がなくなった人が対象”的なイメージの人が多いと思います。
事例も良かったです。
関わる人たちにとっては、ほんと大変なケースだったと思いますが、多職種がうまく連携し、とても暖かい素晴らしいチームだと思いました。

緩和ケア治療とは何か、緩和ケアのハードルを下げられるきっかけとなるような基調講演であったように思います。
事例紹介では、誰もが一度は経験したような、いわゆる「難症例」をどのようにケアするのか、そのヒントとなるような事例であったと思います。
コロナウイルス対策で他職種でのカンファレンスが難しく、訪問看護に孤独を感じていました。
真面目な医療者とオンラインで関わりを持て、励みになりました。

医療者が限界を決めてはいけないことや患者さんのことを一生懸命考えているからこそ悩むんだということを改めて理解でき、またみなさん同じようなことで悩まれているんだなと勇気づけられました。
特に大津先生のご講演の中で、緩和ケアは症状を和らげることのように理解されがちだが、それはあくまで手段であり、QOL を改善し患者さんが望むような時間を過ごしてもらうかが本髄であるとおっしゃっていたのがとても印象に残りました。

がん専門病院勤務しております。
緩和ケアを早期から介入するように働きかけていますが、家族を含めたケアが十分できていないと感じておりました。
先生のお話を聴講させていただき、必要性を再認識できました。
また、基幹病院にのみ受信されている患者さんを地域につなげていくことの難しさも日々感じていましたので、今回の事例発表を聴講させていただき、より地域との連携をとることが、患者さんらしい生活を維持できると思いました。

支援する側の固定観念で考えがちですが、その方のより良い生活、希望に沿うために、各専門職が多角的にアプローチして、本人や支援者の悩みを話し合う顔の見える関係、連携(共同作業)が大事だと再認識しました。

臨場感をもって展開される専門的な議論が、頭と胸に刻まれました。

会が始まる前から、会場が温まったような雰囲気があり、本番に入り込み易かったです。とても緊張したのですが見てる側は映らないという事でホッとしました。集中して聴くことができたのでよかったです。

また、下記のような建設的なご意見もいただけました。

最初、音声が途切れていて聞き取りにくい部分がありました。

時々フリーズするのが残念ですが、自宅で聴講できるのはメリットが大きいです。

登壇者が壇上だととても遠いのですが、近くて拝見できて良かったです。
ただ、交流できる時間が好きなので、その点だけ残念です。

開始時間が18時だったので、家事をしながら参加させて頂いた事と音声が聞こえない事が少し残念でした。

 

東大阪プロジェクト
出会うことで人が動き出し、ともに未来を変える
~穏やかなエンディングをみんなで~

今後も研修会を定期的に行ってまいります。
ぜひ、ご参加ください。

【第24回布施緩和ケア研修会(オンライン)】
日時:3/24(土)18:00~20:00
定員:200名程度
対象:どなたさまでも(地域制限はありません)
タイトル:緩和ケア×そのひとらしさ×存在
今回は「精神疾患」を取り上げ、講演会を行います。
大阪国際がんセンター 和田信 先生、『精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本』(医学書院)などの著書で知られる 小瀬古伸幸 先生にご講演をいただき、同テーマでミニシンポジウムを行ないます。
▼詳細については、以下記事をご参照ください。
https://www.facebook.com/events/238409444341109
▼お申し込みは下記からでも出来ます
https://17auto.biz/fuseishikai/registp.php?pid=2

◆くわしくは、ここをクリックしてチラシでご確認ください◆