• かわべクリニック
    • 在宅療養支援診療所

      医療法人綾正会かわべクリニック

      内科・緩和ケア内科・呼吸器内科

  • 〒577-0843 東大阪市荒川3丁目5番6号 MMビル203

    TEL : 06-4309-8119FAX:06-4309-8118

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在宅医に求められる「適性」とは?

こんにちは。看護師の川邉綾香です。

かわべクリニックを開業して、まもなく4年が経とうとしています。

先日、机の上を整理していたところ、一枚の紙を発見しました。
それは開業前に、いろいろな書籍や資料を読みながらどのようなクリニックを目指すのかを思索していた中で、私の思いの丈を記したメモでした。

少々恥ずかしいですが(笑)、その一部をご紹介させてください。

どのような想いで患者さま、家族さまと向き合うか…

クリニックの理念
心落ち着く場所で
心安らかに
心の思うままに
心を込めてサポートします。

私たちのクリニックでは
『最期は自宅で』との患者さま、家族さまの想いを支援します。
最期までみんなが笑顔を絶やさず、楽なように、後悔のないように意思決定をサポートします。そして家族のように近い存在で心を込めて支援に努めます。

かつても今も、私たちの思いは変わっていません。
これらのことは、ホームページにも記載していますし、私たちの頭の中、心の中に、いつでも存在しています。
日常の忙しさに紛れて忘れがちにならないよう、改めて初心を思い出すことができました。

4年前は自分たちのことに一生懸命でしたが、今では多くの医師の方が、かわべクリニックに「在宅医の研修」に来訪なさるようになりました。
そして、私たちの経験やそこから得た知識、患者さまと接した上で考えたことなどから、私たちがたどりついた「在宅医に必要なもの」、つまり「在宅医の適性」について、考えるようになりました。
長くなりますが、ぜひお読みください。

かわべクリニックが考える
在宅医を目指す医師に求める力

在宅医療を楽しいと思える
→→→病院と違い画一化された場所での医療ではなく、個人の家で季節の移り変わりを感じながら診療を行う。
そのような状況を楽しいと思えることが必要。

 患者さまを敬う気持ちで診察ができる
→→→患者さまは「人生の先輩」であることを忘れずに接する。
また、プライベートな空間である自宅に訪問している自覚を持つことが必要。

人生の最終段階にある方と接している、という自覚を持った行動ができる
→通院が出来なくなっている状況から、ある程度予後が限られた人生の最終段階である。
そのような患者さまと接する上で、与えられた時間を大切にし、その時のその方にふさわしい言葉かけが必要。

限られた資源の中で、最善の治療・ケアを考えることができる
→→→病院と違い、検査や薬、機械などがどいつでもあるわけではない。
患者さまの状態の把握だけでなく、一歩先を見た展開まで考え、対処できる柔軟性が必要。

患者さまの尊厳を守り、個別性の医療を提供することを常に考えることができる
→患者さまが病気と向き合う中で、何を大切にしていて、どこまでの医療を求めているのかを見極めるためにACP(アドバンスケアプランニング:人生会議)を繰り返し行い、共に考えることが必要。

自分の想いを押し付けるのではなく、提案することができる
→→→患者さまの意思を尊重しつつ、患者さまに必要と思われる医療を勧める「対応力」が必要。

患者さまの軸足がどこに向いているのか。病院なのか在宅なのかを見極めることができる
→→→在宅医療は在宅での看取りを基本とするが、患者・家族の意向に添う最期の場所を一緒に考える必要がある。
その中で、私達にできることは何か、在宅を継続する上で不足しているものは何かを常に考えることが必要。

「言葉」の持つ力を大切にし、発揮することができる
→→→病院には患者さまを「治療する」力が必要だが、在宅医療では「言葉」という力が必要。
『死を前にして人は無力である』そのことを念頭に入れ、私たちができることは、死を前にした人に対して、エンドオブライフケアである。
つまり援助的コミュニケーションを用いて、医療者は患者さまにとっての『聴いてくれる人』になることが必要。

ご家族に「自然に看取ることの大切さ」を伝え、看取るご家族をケアすることができる
→→→自然に看取ることの大切さを知った上で、亡くなる過程を看取るご家族に丁寧にご説明し、ご家族の支えとなることができる。

在宅チームとして、自分の役割を担い、多職種の役割を尊重することができる
→→→医師、看護師、薬剤師、栄養士、ケアマネージャー、ヘルパーなど、在宅医療は「チーム」で行う。
自分の役割を十分に担うとともに、役割に固執しない柔軟性を持つこと、そして互いの役割を尊重して、メンバーと積極的にコミュニケーションを図ることが必要。

在宅医としてプロフェッショナルである自覚を持つことができる
→→→「病気を診ずして病人を診よ」この精神を忘れず、患者さまのマネージメントを行い、全人的な医療を考えることが必要。

自分が提供している医療は、自分が患者になったときに「受けたい医療」であるかを考えることができる
→→→人として、常に相手の立場に立って物事を考えることが必要。

ここに記したことは、当然ですが医師だけではなく、私たち看護師をはじめ、栄養士や薬剤師、事務など在宅医療に関わる者すべてに当てはまることだと思います。

在宅医はもちろん、私たち看護師をはじめ、在宅医療に関わる者たちはみな、常に考え、試行錯誤しながら、患者さまとご家族が望む形での「最期」を迎えるお手伝いをさせていただくのです。

私たちはこれからも、患者さまやご家族さまのために、より多くの仲間が夢を語りあえるような場所を提供していきたいと思っています。
7月中には、ぜひ「在宅医療の夢を語る会」を開催したいと考えています。
詳細が決まりましたら、ブログで告知させていただきますので、よろしくおねがいします!