かわべクリニック

在宅療養支援診療所

かわべクリニック

内科・緩和ケア内科・呼吸器内科

〒577-0843 東大阪市荒川3丁目5番6号 MMビル203

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シンプルかつ的確な報告ができる!「I-SBARC」を活用しましょう

こんにちは。看護師の川邉綾香です。

私は新人の頃、先輩看護師に一日の患者さまの状況報告をするのが苦手でした。
何を伝えるべきなのか整理して伝えることの難しさを、実感した記憶があります。

看護師同士だけでなく、看護師から医師への報告も重要です。
特に訪問看護師は、医師に電話で報告する場面が多々あります。

どうすれば、医師に患者さまの状況が的確に伝えられるのでしょうか。
一例を見てみましょう。

看護師:○○さんですが、熱があります。
医師 :(?…それで…?)

これでは、医師にはなにも伝わりません。

そこで、報告の精度をバージョンアップして

看護師:△△町にお住まいの○○さんなのですが、昨夜から熱があったようで、本日も訪問したら熱があります。

さらに詳しくするのであれば

看護師:△△町にお住まいの○○さんなのですが、昨夜から熱があったようです。
今訪問中なのですが、熱は38度、脈は90、SpO2は98%、呼吸回数15回。
活気はあり、水分摂取は出来ており、誤嚥している様子もありません。
ただ、昨日から尿量が少ないようです。腰背部痛は認めていません。
既往に膀胱炎を繰り返しているので、膀胱炎を疑っています。
ご本人には水分摂取は積極的に行うように説明しています。
急ぎませんが、本日中に診察をお願いできませんか?

このように報告すると、医師は

医師 :昼の診察を終えたら往診に行きます。それまでに、自宅にある抗生剤(○○㎎)と解熱剤(○○㎎1錠)を飲んでもらっておいてください。

と説明できます。そこで看護師は

看護師:わかりました。自宅にある抗生剤(○○㎎)と解熱剤(○○㎎1錠)を内服まで確認します。

と対応することができます。

肝心なのは「何のために報告しているのか?」を明確にすることです。
記録については、

・看護記録作成が苦手!という方へ 【POSとSOAP形式】
・なぜあなたの看護記録は伝わらないのか?看護師・川邉綾香が分析する「5つの理由」~続・看護記録作成が苦手!という方へ~

でもお伝えしましたが、口頭で報告する場合は、できるだけシンプルに、かつ効果的に報告することが重要です。

そこでポイントとなってくるのが「I-SBARC」です。


I : Identify(報告者・対象者の同定)
S : Situation(状況・状態)
B : Background (背景・経過)
A : Assessment (評価)
R : Recommendation (依頼・要請)
C : Confirm (口頭指示の復唱確認)

「I-SBARC」に沿った報告であれば、受ける医師は看護師が何を伝えたいのかがわかりやすく、対応しやすくなります。
「I-SBARC」の基本的な報告の手順と内容は、医師―看護師間をはじめとする患者さまを中心とした医療者のコミュニケーションには、欠かせない便利なツールです。

先程の報告内容を分析してみると、

△△町にお住まいの○○さんなのですが
→Identify (報告者・対象者の同定)

昨夜から熱があったようです。今訪問中なのですが、熱は38度、脈は90、SpO2は98%、呼吸回数15回。活気はあり、水分摂取は出来ており、誤嚥している様子もありません。
→Situation (状況・状態)

ただ、昨日から尿量が少ないようです。腰背部痛は認めていません。既往に膀胱炎を繰り返しているので、
→Background (背景・経過)

膀胱炎を疑っています。
→Assessment (評価)

ご本人には水分摂取は積極的に行うように説明しています。
→Background (背景・経過)

急ぎませんが、本日中に診察をお願いできませんか?
→Recommendation (依頼・要請)

わかりました。自宅にある抗生剤(○○㎎)と解熱剤(○○㎎1錠)を内服まで確認します。
→Confirm (口頭指示の復唱確認)

どんな場面においても、思いつきで報告することは良くありません。
大切なことは、何のためにその報告をしようとしているのか、何に困っているのかを明確にすることです。
自らの考えや依頼したいことを相手に伝えることは、最初は難しい。
けれど、しっかり順序立てて報告することで、診療がスムーズになります。

患者さまにとって、一番相談しやすい相手は看護師でありたい。
医療の目を持ち、医師の代わりとなって観察を行い、患者さまの変化を正確に医師に伝える「橋渡し」を上手にできる看護師になりたい!

在宅医療において、患者さまの容体に変化があった場合は、医師への報告を翌日まで待つことができるものなのか、緊急を要するものなのかを判断し、報告するタイミングを計らなくてはいけないのです。
タイミングを計るのは、簡単なことではありません。
そして医師に連絡をして、的確に状況を伝えることも難しいのです。

ここでもう一つ、医師への報告が上手にできるコツをご紹介します。

それは、「医師の性格、特徴を知ること!」

相手は、医師である前に一人の人間です。一人ひとり、みんな性格が異なります。
外来中、往診中など時間帯によっても対応が変わってくると思います。
医師ぞれぞれの性格や状況を配慮しつつ、「I-SBARC」を用いて報告が出来るといいのではないでしょうか?

緊急時には、誰でも気が動転するものです。
ベテラン看護師でも、どうすればいいのか?と慌てることも少なくありません。
そして緊急時には、看護師間の連携も必要です。
救急搬送を依頼する場合は、どのような基礎疾患がありどのように急変したのか、現在のバイタルサイン、意識レベルなど、的確に必要な情報だけ報告しましょう。

かわべクリニックでは、「医師に連絡する人」「患者家族に連絡する人」「訪問看護師に指示を出す人」「救急隊に連絡する人」で連携を行っています。
そして、何よりもスムーズに搬送してもらえるように、受け入れ先の病院の連携を大切にしています。

こちらは、かわべクリニックにおける「救急車要請カード」です。
これを用いて搬送を依頼しています。

在宅医療において重要なことは、日頃からの医師と情報共有をすることです。
報告の仕方によっては、緊急性がないととらえる医師もいるかもしれません。
だから医師への報告の際には、どの程度の緊急性なのかをはっきりと伝え、対応の指示が欲しいということを意識して伝達することが大切です

医師との連携をはかることは、看護師としては欠かせません。
しかし看護師は医師の指示の下で動くので、報告をするときも気を使います。
その際には、医師の性格や特徴を捉え、報告の仕方を工夫すること。
また的確な情報を簡潔に伝えられるようにすることが重要です。

スムーズな報告ができれば、医師との信頼関係にもつながると思います。

「I-SBARC」を、ぜひ意識してみてください。

「介護支援専門員資質向上研修会inユトリート東大阪」にて講演を行いました

こんにちは。看護師の川邉綾香です。

私はエンドオブライフ・ケア協会の「ファシリテーター」として、定期的に東大阪地区で「エンドオブライフ・ケア」に関する講演を行っています。
また2019年は、いくつかの地域包括支援センターからのご依頼をいただき、介護支援専門員資質向上研修会(法定外研修)で講演をさせていただいています。

患者さまにとって、医療と介護の間に隔たりや境はなく、まさに流行語大賞となった「One team」なのです。
だからこそケアマネージャーに対しての研修会は、医療者と顔の見える関係性を築くためにも非常に貴重な時間になります。

「ターミナルケア(ホスピス、緩和ケアをめぐる生命倫理に関するケアマネジメント)」についての講演依頼をいただいたので、今回のテーマは「死を前にした人に、あなたは何ができますか?~ACP 決めた内容 誰がする~」としました。

本講演には、地域包括支援センターヴェルディ八戸ノ里の櫻井豪さんにもご協力をいただきました!
ありがとうございました。

私たちの研修会の特徴は、誰にでもできる具体的な対人援助法を、事例やロールプレイで学べることにあります。

研修会終了後、参加者のみなさまの感想を拝読いたしました。
どの感想を読ませていいただいても、こちらの思いが十二分に伝わったと感じられ、喜びもひとしおです。
そのうちのいくつかを、こちらでもご紹介させていただきます。

・今回2回目の受講です。すごく学ぶべき事、自分がふり返る事が多く、大変よかったです。

・「死」に対する利用者からの言葉にいつも返答を悩んでいましたが、本日の講義の反復や間、沈黙という技法が学べて良かったです。

・本人と家族の思いに相違がなければ、支援者として支えることができるかと思う。できるだけ傾聴し不安など聞きとれる様には心がけているが、利用者がどの様に感じているのか、初心に戻り考える機会がもてた。

・聞くということの大切さ。また、問題解決をしないといけないと感じてしまいがちでしたが、そうではないことを知った。確かに自身も大切な事を話すとき、知らないうちに沈黙をとっているなと感じました。

・話しをゆっくりと聴く事を忘れがちな毎日です。自分の生活にも大きく役立てたいと思います。

・ご本人が意思表示されていなくて、ご家族が終末期医療をどうするか決めざるを得ない事例に多くかかわってきました。ほんとうに、話し合いをするたびに思いが変わっていくこと、何度も話し合いをすることが必要ということを改めて感じました。

・自分をコーチングしながら利用者の沈黙を大切にし理解するよりも理解者になれる自分になりたいと思える研修でした。

・八尾徳洲会総合病院 松本静香さんの「聴く力」を2時間受講しています。同じ話でも学ぶことがまた違い、勉強になりました。

・医師と看護師の、ご夫婦のかけあいが心地よいリズムでお話しを聞くことができました。今後の支援につなげます。ありがとうございました。

全ての感想を記載することは出来ませんが、伝えたいことが理解していただけた研修会になったと思います。

東大阪の地で同研修会を定期的に開催するようになり、2回目、3回目の受講者も増えてきました。
エンドオブライフ・ケア研修の良いところは、そのたびごとに感じ方が違い、そして得られることがあることです。
だからこそ、私もスキルアップ研修などを受け続けています。

医療と介護に境はありません。誰かの支えになろうとしているケアマネージャーこそ、一番支えを必要としています。
私たちクリニックは、ケアマネージャーのみなさまの支えになりたい。
そう、願っています。

今後の講演会や研修の予定をご案内させていただきます。
興味のある方は、ぜひご参加ください。

【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研修】

「死を前にした人に あなたは何ができますか?~ACP 決めた内容 誰がする~」
日時:2019年12月13日(金)19:00~21:00
場所:ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)
定員:50名([限定]大阪社会福祉士のみ)

◆くわしくは、ここをクリックしてチラシでご確認ください◆

【東大阪緩和ケア地域連携カンファレンス】

「苦しみを通して気づく『支え』」
日時:2020年1月30日(木)19:00~20:00
場所:市立東大阪医療センター3階 ABC会議室
定員:100名(医療・介護関係者)
※詳細はFacebookでもご案内しています。

【第3回縁起でもない話をしよう会@大阪】

日時:2020年2月12日(水)19:00~21:00
場所:北御堂(本願寺津村別院)(大阪市中央区本町4-1-3)
定員:100名(どなたさまでも)

◆くわしくは、ここをクリックしてチラシでご確認ください◆

【2020年 布施緩和ケア研修会 総会】

日時:令和2年 3月6日(金)18:30~21:00
場所:イコーラムホール(希来里6階)(東大阪市岩田町4-3-22)
定員:200名(医療・介護関係者)
主催:布施医師会

◆くわしくは、ここをクリックしてチラシでご確認ください◆

イベントの情報は、随時更新してまいります。
また、クリニックのフェイスブックでもイベントについてご案内しています。
フェイスブックをご利用している方は、ぜひこちらも合わせてごらんください。
かわべクリニック フェイスブックページ

「いのちの授業」を行いました

こんにちは。看護師の川邉綾香です。

11月18日(月)に大阪市にある城星学園小学校にて、小学6年生を対象に「折れない心を育てる いのちの授業」を行いました。

かわべクリニックでは、エンドオブライフ・ケア協会が取り組んでいる「折れない心を育てる いのちの授業」プロジェクトに賛同し、「いのちの授業」を行っています。
>>プロジェクトの詳細はこちらでご確認ください。
https://endoflifecare.or.jp/okproject/

以前から、在宅医療を行なう中で、人生の最終段階を迎えられた患者さまご本人だけでなく、ご家族さまも穏やかに過ごしていただけるように、何らかの形で伝えられないだろうか。
いや、もう少し早い時点に、患者さまとなる前から、たとえ苦しくても人を傷つけず、自分や相手を大切にすることができると伝えられないかと考えていました。

そのようなとき、このプロジェクトに出会いました。
地域や業界に関わらず、様々な場面で学べ、医療や介護に限らず、様々な関係者と一緒に創っていく「折れない心を育てる いのちの授業」。

大阪赤十字病院勤務時代に、2010年からの3年間、同学園で「いのちの大切さ」をテーマとした授業を行っていたご縁もあり、このプロジェクトを私の母校でもある城星学園小学校教頭に真っ先に相談し、説明にあがりました。

まずは、「いのちの授業」の大まかなコンセプトに関して、「折れない心を育てる いのちの授業」(小澤竹俊先生著)を用いてご説明。

次に、授業の骨子については、
Ⅰ導入→Ⅱ苦しみ→Ⅲ苦しみから見える支え→Ⅳ苦しむ人を前に、私たちにできること→Ⅴ自尊感情・自己肯定感
の流れであることをご説明しました。

こちらの熱い気持ちが伝わったのか、快く承諾してくださり、90分ひとコマの授業を6年生3クラス各々で担当させていただくことになりました。

では、実際の授業の様子をお伝えします。


なぜこの授業の目的は何なのか、『解決が難しい苦しみから学ぶこと』を自己紹介を踏まえて説明。

 
人生の最期、人は苦しいと思うかもしれない。でも、普段私たちが関わる患者さんから気付かされる「穏やか、幸せ、安心」でいることができるという事とは…。
子供たちには一見、難しい表情にはなるけれど、この後のロールプレイや映像を通して理解が深まる。


自分を認めてくれる誰かがいれば、きっと自分が大切に思える。その時に考える自分の『支え』は何か?前半の授業で行った支えを振り返って、改めて自分のことを見つめ直すことができる。

生徒たちからいただいた感想の一部をご紹介します。

(略)私が聞くだけで本当に友達のこころが少しでも楽にできるのかが心配でした。でも、聞いた後にいつもありがとうと言ってくれる友達の声を聞くと、聞いてあげていただけで良かったのだと思いました。

私は将来、○○になりたい。(略)○○はしっかりと話を聴くことが大切な仕事です。この「解決が難しい苦しみから守ること」の授業が今後の仕事につながっていくと思いました。(略)私も早く大人になって○○になりたいです。

いのちの授業を聞いて、「苦しみとはどんなものか」「苦しむ人を前にしてわたしには何ができるのか」を知りました。(略)「苦しむ人を前にしてわたしに出来ることは何か」。それは反復をすることです。反復をすることで相手が自分のことを分かってくれた。良かったという気持ちになります。だから、わたしは困っている人を目にしたら、今回学んだことを実行して助けたいと思います。

また、先生方からもコメントをいただきました。

この内容は、子供たちの支えであるご両親、特にお母さんにこの授業を聞いて欲しいと思う。お母様方も必死になって子育てをしていて、それを支える教師でありたい。だから、先生もまたこの授業を受けるとべきだと感じた。

子供達が集中して聞けたのは興味深い内容だったからだと思う。子供たちが何かを感じて行動に出来る内容であった。何より、日頃の自分自身の子供との向き合いかた、待つことの大切さ、聴くことの難しさなど振り返るいい機会となった。

教皇様のメッセージと重なる部分があり、具体的な内容で良かったと思います。
本校も人に寄り添うことを基本としていますので、有り難い内容だったと思います。

「折れない心を育てる いのちの授業」というタイトルですが、子供達の感想としては、「聴ける人」になりたい。そのための方法がわかった、明日から実戦したい。困っている人がいたら助けたいという前向きなものでした。

私は、その気持ち自体がその子にとっての支えであるし、また、その子がもたらした助けによって、その子の気持ちが折れそうになったときに支えてくれる仲間で生まれるのではないか、と感じました。

小学6年生という思春期で多感な時期、成長段階にも多少の差がある中で、感じ方が色々であると想像されます。
授業をする前はこちら側にも不安がありましたが、そこは現場の先生方が協力してくださり、子供達の集中力を切らす事なく90分間の授業を行うことができました。

私の伝えたいという気持ちと、それを真剣に聞いてくれる姿勢が、私の支えになりました。

子供も子供なりに悩み苦しんでいます。
それを笑顔で対応する子もいれば、苦しいと言える子、言えない子、強がる子…。
彼ら一人一人に「支えがあり、聴いてくれる人」がいるということが、授業を通して伝わったように思いました。

「第2回縁起でもない話をしよう会@大阪」にて講演を行いました

こんにちは。看護師の川邉綾香です。

11月1日(金)に北御堂(津村別院)にて開催された、「第2回縁起でもない話をしよう会@大阪」にて講演会を行いました。

「縁起でもない話をしよう会」は、医療や福祉に関わる人と地元の人、お坊さんが参加する、鹿児島発の地域交流イベントです。
「お寺」に集まって、普段はあえては口に出さない「縁起でもない話」を語り合おう、みんなで!と言う主旨の会です。

第1回の「縁起でもない話をしよう会@大阪」では、参加者として大いに楽しませていただきました。
第2回を開催するにあたり、「今回はぜひ!」と立候補させていただき、かわべクリニック 看護師 川邉綾香と医師 川邉正和 が「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」をテーマに話題提供させていただきました。

参加者は本当に多職種で、医師4名、看護師8名、税理士・司法書士・行政書士7名、僧侶6名、その他を含めて総勢57名。
多くの方にご参加いただき、感謝です。
なかなか敷居をまたぐことのない北御堂。
大きな仏壇の前の畳の上でお話させていただき、初めて尽くしの講演会となりました。

テーマは、「人は苦しみを抱えながら穏やかになれるか?」

はじめに、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)って何?を説明しました。
その後、「相手の苦しみをキャッチする、相手の支えをキャッチして強める」を事例やロールプレイを通じて学んでいただきました。

このブログでも、講演内容をご紹介させていただきます。

 
 
 
 

講演会終了後、参加者のみなさまの感想を拝読いたしましたので、いくつかご紹介させていただきます。

・(これは良いことだと思い込んで)当事者に選ばせない、強制していることは、実は恐ろしいことだと感じた。選べる、選んでもらうことが大切。

・自分の仕事、自分について考えることができた。支えるそして聴く力を身につけたい。医療職、介護職、宗教職といろいろな職種の方と話することができ、考えることが出来た。

・自分の支えについて意外とすぐに思いつかなかった。普段は意識しているようで、していなかったんだと感じた。

・専門的な立場でなくても、誰かの支えになろうとする人こそ、一番支えを必要としているのだということが印象に残った。

・将来の夢について考えさせられた。

・ACPの捉え方が変わった。グループワークでは皆さんの聴く姿勢が素晴らしく、現場に役立てていきたい。

・支えは一つでなくても良い。様々なところに頼り、心のよりどころにすることで良いのだと感じることが出来た。

・選ぶことが出来る自由の大切さを知ることができた。グループワークでのシェアで学びを深めることが出来た。

講演会の後は、本題の「縁起でもない話」のパートです。
テーマは、「何歳まで生きたいか」。
4名ずつグループになり、話し合いを行いました。

川邊院長も、グループワークに参加しました。
グループで盛り上がったのが、「健康寿命について」です。
寿命を延ばすだけでなく、いかに健康に生活できる期間を延ばすか?
「健康に生活できる期間が長いのであれば、できる限り長生きをしたい」との意見が多かったそうです。

*健康寿命とは…「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義しました

アンケート結果から、他のグループでの意見をシェアしたいと思います。

・72歳の方が、120歳まで、出来れば300歳まで生きたいとおっしゃっていたことが印象に残った。年齢に関わらず、大きな目標を持っていると気付かされた。

・死について、自分が死ぬことを笑って話せることは良いと感じた。

・自分の中で死を意識し、生きているのだと感じた。

・自分の死について考えることの出来る時間になった。

・やはり自分自身がまだ死ぬということを考えていないのだと感じた。これを機会にもう少し考えてみたい。

・人の世話になってまで長生きをしたくないと思っていたが、「人の世話になることが悪いこと」でもないのかなと考えられるようになった。

・(何歳まで生きたいかという問いに対して)どこまで自己開示して、話せばよいか分からず、少しだけ苦しかった。

・医療職の方の死生観を聴くことができたのが、一番の印象に残った。

イベント全体に対しては、以下のようなご意見がありました。

・いろいろな方の考え方、生き方の話を聞けて良かった。認知症、老衰、寝たきりが皆の心配している。

・普段、考えないような話をさせていただき、有意義な時間でした。

・普段、考えたことがないことを突然に問われ、答えることが難しかった。こういったことが縁起でもない話に繋がっていくと感じ、今後に活かせそうです。

・楽しく、自分の終活のまとめになりました。

・全体を通して、自分の思い込み、価値観などについて考えさせられた。ACP(アドバンス・ケア・プランニング)について初めて話を聞きました。

今回の講演は、川邉院長が緊急対応のため急遽不在になり、一人で行うことになりました。
不安な気持ちについて、参加者のみなさまに、
「3つの支え」のひとつである「支えとなる関係」が崩れたことによるものだ、とご説明しました。
すると会場の皆さまが、「私を支えてあげる、守ってあげるよ」という雰囲気になったことが、とても嬉しかったです。

また、「カレーうどんが大好きな院長が毎日、夕食にうどん屋さんに連れていこうとするため、私には選ぶことが出来る自由がないので辛い」というくだりにも、大きなうなずきと笑顔がありました(笑)。

今後も、地域全体で在宅医療を支えるネットワーク「東大阪プロジェクト」として、講演会やディスカッションのなる充実をはかっていきます。

また、かわべクリニックではいろいろな研修会を開催しています。
このテーマに関心を寄せる方は、ぜひご参加ください。

【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研修】
日時:2019年12月13日(金)19:00~21:00
タイトル:死を前にした人に あなたは何ができますか?~ACP 決めた内容 誰がする~
場所:ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)
定員:50名(大阪社会福祉士限定)
◆ここをクリックしてチラシをご覧ください◆

【東大阪緩和ケア地域連携カンファレンス】
日時:2020年1月30日(木)19:00~20:00
タイトル:苦しみを通して気づく「支え」
場所:市立東大阪医療センター3階 ABC会議室
定員:100名(医療・介護関係者)
詳細は近日中に告知させていただきます。

【第3回縁起でもない話をしよう会@大阪】
日時:2020年2月12日(水)19:00~21:00
場所:北御堂(大阪市中央区本町4-1-3)
定員:100名(どなたさまでも)
◆ここをクリックしてチラシをご覧ください◆

【第19回布施緩和ケア研修会・総会】
日時:2020年3月6日(金)18:30~21:00
場所:イコーラムホール 東大阪市岩田町4-3-22 希来里6階
定員:200名(医療・介護関係者)
◆ここをクリックしてチラシをご覧ください(表面)◆
◆ここをクリックしてチラシをご覧ください(裏面)◆

<緊急告知・放送日変更のお知らせ>

12月5日(木)18時15分頃から
朝日放送『キャスト』内で「ABC特集」として、第2弾が放送されることになりました。

先日、明日・11月20日(水)と告知させていただきましたが、諸事情により変更となったとのご連絡がありました!
「救急車を呼ばんといて!」の一言が出たことをゴールに、在宅医療の姿勢・大切さが伝わるような内容になっています。
今年の1月から9か月間、継続取材を経て、8月14日に第1弾の放送をしていただきました。今回はその第2弾になります。

視聴可能な方はぜひご覧いただき、ご感想を頂戴できると幸いです。
よろしくお願いいたします!

【看取りの報告書】Qさまのこと

クリニックでは、患者さまが最期の時間を過ごされたご様子を「看取りの報告書」としてまとめています。

今までかわべクリニックがお見送りをした患者さまの「看取りの報告書」を、担当看護師の思い出と共にご紹介していきたいと思います。

退院日にお話をいただき、退院後に直接ご家族とご相談し、慌てて往診をしたQさま。
退院前カンファレンスの必要性とは…

Qさまのこと
~初回訪問した日から得られる24時間365日の安心感~

[看取りの報告書]
退院支援課 A様

Q様についてご報告させていただきます。
退院2日後に初回訪問を設定していたのですが、退院翌日の夜に39℃の発熱を来し、往診依頼。それが初回訪問となりました。

胆管炎の再燃の可能性を説明した上で、自宅での療養を希望されたため、アセリオの点滴およびクラビットの内服治療を開始しました。
抗生剤が著効し発熱なく経過、またアセリオの点滴後にスッキリと腹部の痛みが緩和されたとの話もあり、アセトアミノフェンでの疼痛も図っていきました。

徐々に病状が進むにつれて、出来ていたことが出来なくなることへの苦しみを表出されたQさま。
医療用ベッドなどの導入を提案しましたが、「その環境こそが病人になった気持ちになる」と訴えられ、元々使用していた厚めのベッドマットの上に布団を敷いて、床から30㎝程段差をつけるなどの工夫をしました。

Qさまは最後まで『生への意欲』が強く、常に自分自身と闘っておられました。
それを支える奥さまも辛かったと思いますが、少しでもQさまが穏やかになれるようにと懸命に食事の工夫をされたり、家業であった自転車屋さんの状況をお伝えするなど、支えとなっておられました。

そして、退院から1ヶ月半後に、奥様、近所に住んでおられるご長男さまとそのご家族、そして次男さまに見守られ永眠されました。
亡くなられる前日にベッド上で洗髪をした際に、Qさまより「あぁ~気持ちいい~。どっち行ったらいい?生きる方?死ぬ方?」と言われて驚いていたところ、奥さまが優しい声で「まだこっちいてて。」と言われ、Qさまが穏やかな表情になったことを思い出されます。
ご紹介ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。

[ケアを振り返って]

患者さまの心理として、「在宅訪問診療って何?」「まだ、動けるのに急変時に備えて往診の先生を決めておくってどういうこと?」「ガンではあるけど、今は食事も食べられているし、そんなにすぐに悪くなるとは説明受けていないから大丈夫。」といった心境だと思います。
そんな中で病気と上手に付き合うために、かかりつけ医(在宅医)がいかに重要であるかを早期にご説明する必要があります。

ただ、どの患者さまも「今は治療中だ、そのような話はまだ先の事だ」と思うかもしれません。
しかし、「早いに越したことはない」と思っていただけるようなシステム作りが必要だと、強く思います。

では、どうするべきでしょうか?
かわべクリニックでは積極的に退院前カンファレンスに参加し、病院医と在宅医、患者さま・ご家族さまと、皆のが顔の見える関係を築くこと、その上で安心して在宅療養ができるように心がけております。

※退院前カンファレンスに参加する上で心がけていることについては、前回のブログでご紹介しております。ぜひご一読ください。

在宅でも安心して過ごせる、対応してくれる・支えくれる人が増えた、とご本人やご家族が思えたときに、患者さまの「最期まで自宅で過ごしたい」という希望が叶うのだと思います。

その支えの中で『選ぶことのできる自由』がある。
寝床や食べたい物、したいことが選べたときに、穏やかな気持ちになるのではないでしょうか。

医療資源や社会資源、公共資源など色々な情報を提供する必要は、もちろんあります。
ただ、それらが患者さま本人にとって「穏やか」と思えるものなのか、考えていく必要があると常々感じています。

[ご家族さまからの手紙]

Qさまの奥さまよりお手紙をいただきましたので、ご紹介させていただきます。

日暮れが日々早くなって参りました。
先生はじめ皆様には不安な日々を支えて頂きまして本当に感謝しております。
主人も同じ気持ちでいたと思っております。
心に穴があくというか、もっと長生きして欲しかったという思いは尽きませんが、安らかに旅立てましたことを家族の慰めにしております。
職人気質で根は優しい、仕事が好きで、釣りが好きで、ドライブが好きな主人でした。
一緒に過ごしたかけがえのない日々の思い出を胸に生きてゆこうと思っております。
本当にありがとうございました。

※プライバシーに配慮し、お名前はアルファベットとさせていただきました。

【看取りの報告書 バックナンバー】
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