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第26回布施緩和ケア研修会(オンライン)を開催しました。

10月16日(土)に、オンラインにて「第26回布施緩和ケア研修会」を開催いたしました。
この研修会もは、オンライン化してはや5回目。
東大阪市地域だけでなく日本全国各地に周知され、多くの方に参加いただけるようになりました。
これも布施医師会事務局及び医療介護支援コーディネーターの皆さまのおかげです。
本当にありがとうございます。

以前からお伝えしておりますように、布施緩和ケア研修会は、医師や看護師などの医療職に加え、介護職など多職種に門戸を広げています。

今回も、司会は東大阪プロジェクト代表福村雄一先生(司法書士)が担当。
受講者は、医師17名、看護師84名、保健師1名、薬剤師8名、介護支援専門員22名、介護支援員2名 社会福祉士10名、その他総勢177名でした。

第一部は「救急病院の癌外科医が考えるACP」と題して、社会医療法人若弘会 若草第一病院 院長 山中英治先生に講演をいただきました。

簡単にスライドをご紹介させていただきます。


※クリックするとPDFが開きます。

山中先生は、消化器外科医として数多くのがん症例を執刀し、治療を行なってきました。
かつての「未告知」の時代を経て、最近の告知における動向をアドバンス・ケア・プランニングと関連させ、癌外科医としての経験をもとにご教授いただきました。

第二部は「アドバンス・ケア・プランニング ~その人らしく生ききるために~」と題して、社会医療法人若弘会 若草第一病院 緩和ケア認定看護師 山本直美先生に事例検討をいただきました。
事前に参加者にはハンドアウトが配布されました。


※クリックするとPDFが開きます。

故郷が九州の癌症例の男性。
数年にわたる点滴での抗癌剤治療がなされ、経口剤での治療に移行する時期に一度目のアドバンス・ケア・プランニング(ACP)が行なわれました。
同時点で初めて、「最後は故郷で過ごしたい」という思いを語られました。
しかし、その想いは叶えられることがなく、病院で最期を迎えることとなりました。
何故なのか。
介入の難しさを次への課題とともにまとめられました。

第三部は、川口俊先生(かわぐち呼吸器内科クリニック)、田仲みすず先生(もり内科クリニック)、松本静香さん(八尾徳洲会総合病院)、北村愛美さん(訪問看護ステーションリール)、前田尚久さん(おうじ薬局)、小林亜津美さん(YMCAこさかケアプランセンター)に、緩和ケア担当理事川邉正和を加え、各分野での専門家が語るACPと題し、シンポジウムを開催しました。

慢性疾患のエンドポイントの見えないACP、認知症の家族へのACP、入院期間が短くなった急性期病院でのACP、状態が悪く予後が既に短い方への訪問看護師としてのACP、門前薬局での関わりでのACP、介護をマネージメントするケアマネージャーのACPなど、普段聞けない貴重なエッセンスを窺い知ることができました。

詳しくは、研修会終了後に参加者のみなさまからいただきました多数のアンケート結果にも記載されています。
そのうちのいくつかを、こちらでご紹介させていただきます。
一読していただくだけでも学びになります。
ぜひ、ご覧ください。

・山中先生のACP、山本看護師の具体的な事例検討例、そしてシンポジウムと、とても有意義なお話 だったので、シンポジウムを別の日程で行うか、もう少し時間をとって実施しても良かったと感じる内容でした。特に、がん患者さんの余命が限られているなかでの関係性を少しでも持ちたいと考えたACPの対話内容やPカード等の取組み多くの地域に広がってくれることを期待したいと思いました。参加させていただき良かったと思います、ありがとうございました。

・癌患者に携わる機会を頂く度に、人それぞれ、家族関係それぞれ、担当医や看護師さんの携わり方もそれぞれだなと勉強になりますし、毎回これで良かったのかなと振り返るので、色々な意見や事例を聞かせて頂けて大変良かったです。ありがとうございました。

・在宅医のドクターもいろいろで、上手に看取ってくださる先生もいらっしゃればそうでない先生も。 その中で感覚を鈍らせないように今回のような事例にたくさん触れておきたいと思いました。

・ACP がんの終末期患者さんのみならず、いつ自分がどうなっても良いようにエンディングノートなどで自分の希望を書いておくことが大事だと感じた。また、ACPの関わりは患者家族が主語であることを忘れず、プロセスが大切、決めなくてもいいから対話を重ね考えていくことが必要。

・ACPについて、それぞれの視点での考え方を知れる良い機会となりました。 特に、非がんの患者へのACPについても学ぶことができました。ありがとうございました。

・『きっかけ』が繋がりの始まりで、その『きっかけ』を大事に繋いでいきたいと思いました。また、非がんの慢性呼吸器疾患の方の支援もじっくり学びたいと思いました。

・ACPについて学びを深めたいと思っておりましたので、実際に、病院でACPノートや入院受入 カード等を活用されているお話を伺うことができて良かったです。シンポジウムもあり盛り沢山な内容、貴重なご講演をありがとうございました。

・他の地域の取り組みが知れて大変刺激になったし参考にしたいと思います。日々のケアに活かしていきたいと思います。

・司法書士さんなど直接医療に携わらない方のお話も聞けて良かったです。

また、下記のような建設的なご意見もいただけました。

・シンポジストの先生方のご講演時間が短かったので、もう少し視聴したかった。

・講師の先生が聞いている方々が末期臨床の実力がない方々と勘違いされているのではないか、と思われた。ああすればいい、こうすべきだと上から目線というか、聞いている方に失礼ではないのか、と感じた。

・シンポジウムでは演者の人数がやや多くディスカッションになり得なかったのが残念だった。また、一部と二部の演者の意見交換がなかったのが残念でした。ただ、どの立場、どの場面であったとしても話し合う、それもその人のためにという考えかたが浸透しているのがわかってよかったです。

・内容は良かったです。シンポジウムも共感できました。あっという間に時間は過ぎた感じでしたが、もう少し短い時間の方がありがたいです。

・あまり長いと集中力が続かないと思いました。

今後も研修会を定期的に行ってまいります。
ぜひ、ご参加ください。

【第27回布施緩和ケア研修会(オンライン)】
日時:2/12(土)17:00~19:00
定員:200名程度
対象:医療介護に関係する方ならどなたでも(地域制限はありません)
タイトル:
講演1:認知症の緩和ケア、意思決定支援
国立がん研究センター先端医療開発センター精神腫瘍学開発分野長
小川朝生先生
講演2:グリーフケア・スピリチュアルケア
市立豊中病院緩和ケアセンター
柏木雄次郎先生

【申し込みフォーム】
https://17auto.biz/fuseishikai/registp/entryform6.htm

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