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「共創」について考えてみた~自他非分離のワークショップ~

こんにちは。医師の川邉正和です。

突然ですが、みなさまは「自他非分離」という言葉をご存知ですか?
自他非分離とは、自分と他者を分離して考えないで、相手になりきり、思いと感覚を経験することだそうです。

私たち医療者は一般的な日常診療において、「理解は出来ないが、理解者にはなれる」ということを大切にしているため、この言葉に対しては少し新鮮な感じがしました。

気になったので、自他非分離についてもう少し調べてみました。

創造には場所における意義がなくてはならない。
創造は場所における歴史的創造である。
創造にとって必要なことは、自己が場所に対して開くということである。
自己は場所に対して非分離になることによって、同様に場所的に非分離な他者と非分離になる。
これを自他非分離という。
言いかえれば、自己と他者はそれぞれ独立しているが、場所的に非分離になることによって、自他非分離になる(下図)。

「場」と知識創造 露木恵美子 研究 技術 計画 Vol.34, No1, 2019,  p39-57 より

なかなか難解ですが私なりに読解してみると、「自他非分離の状態」とは「共創の状態」と言い換えることができ、「共創」とは相手(時としてお客様)と一緒になって、課題やテーマを創出し、その解決策を提供することのようです。

今回、私がこのブログで「自他非分離」という言葉を取り上げた理由。
それは、私たちが取り組んでいる「東大阪プロジェクト」を「共創」してもらうためにどうすれば良いのか、ということの一つののヒントになると感じたからです。

先日、日本医療デザインセンターが主催する地域医療デザインフォーラムという「医療現場の課題を、デザインを用いて解決するデザインチーム」の会に参加しました。
私は、この会には視聴者として幾度か参加していたのですが、意見交換が出来る参加者としては初参加でした。
そのため、他の参加者の理念、ポリシー、ビジョンなども全く知らない状況だったのです。
そこで、主催者の計らいにより「自他非分離のワークショップ」が行われました。

このワークショップについて、簡単に説明します。

各グループに分かれ、参加者は3名(A、B、C)
1)A → B 自分の経歴を伝える、過去の話から現在の課題やチャレンジまで(5分)
2)B → A Aの5年後を成り代わって、A、Cに語る(2分)
3)C → B Bへヒーローインタビュー(2分)

私はAの担当です。
自分の出身地から話を始め、福井で大学生活を送り、医師としてのキャリアのほとんどを大阪赤十字病院で積む。
そこで経験した症例をきっかけに、在宅訪問診療の必要性に気づき、現在の地で開業した。
開業後に待っていたまだまだ未成熟である地域包括ケアシステムを多くの方に知ってもらうため、医療・介護の両方を担える看護師を中心としたケアチームを構築し、その輪は医療介護職に限らず、生ききる関連産業全てに広げる活動を行っている、というようなことをお話しました。

するとBさんが、私の5年後を(想像で)語ってくださいました。
「(Aさん=私の)試みはさらに広がり、学校教育でも取り上げられるようになっている。
幼少期に地域包括ケアシステムという輪を学んだとしても、時が経つにつれ、忘れてしまうかもしれない。
しかし、大学生、社会人と大人になり、必要な場面に関わった時には、その基礎を学校教育として学んだことがあるため、間違いなく社会にとって大きな力、戦力となっている。」

それを受けて、Cさんからヒーローインタビューです。
「今までは目立つ人がヒーローになる傾向があったが、現代社会では、ヒーローの枠組みが変わり、縁の下の力持ちがヒーローとなってきている。
Bさんは、そのような社会を土台から支える、目には見えないけれど大切な存在です。」

Aとして参加した私は、この「自他非分離のワークショップ」に参加することで、他の参加者の皆さんと場が共有されたような感じがする!自分のことを分かってくれている!と強く感じました。
またB、Cとしての参加した方は、Aがどのように考え、これからどのように展開すれば良いのかを考えたので、Aと場が共有された感じがしたそうです。

次に私はBの役割を担当しました。
Aの方の考えを頭の中で整理し、そしてどのような未来を描くのかを考え、発表する。
そう、まさしくと一緒になって、課題やテーマを創出し、その解決策を提供できた気がしました。

東大阪プロジェクトを「共創」していただくために、Aのテーマを「東大阪プロジェクト」において、ワークショップを開催してみたい。
これを私たちだけでなく、何らかの課題を持ち共創して欲しいと思っている方々と行いたい、という夢をもちました。

皆さま、ぜひご一緒にいかがですか?

【痛み×緩和ケア講演会・第11回(オンライン)】

お申し込み:https://bit.ly/3BRNhXw
※ご注意ください
上記より「申し込み」および「ファイザープロへの会員登録」が必須です。
「介護関係者」の方は、「その他の医療関係者」をお選びください。

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定員:オンライン 300名
対象:医療介護関係者(地域制限はありません)
話題提供:痛み・緩和ケア

[講演1] 18:00から
がん患者の痛みの治療~オピオイド鎮痛薬を上⼿に使うために~
京都府⽴医科⼤学附属病院 疼痛緩和医療部 上野 博司 先生
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かわべクリニック 看護師 川邉綾香

※クリックすると拡大表示されます。

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