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大阪府薬剤師会 中河内ブロック研修会で講演しました

平素よりICTを用いた多職種連携でお世話になっている東大阪市布施薬剤師会合田大佑先生よりご依頼を受けて、中河内(東大阪市・八尾市・柏原市)薬剤師会会員および会員薬局に勤務されている薬剤師のみなさんを対象に講演する機会をいただきました。

テーマは、『ありたい自分であるために たしかなこと~大切なひとに届けませんか?~』と題して、「人生会議・ACPについて考える」ことです。

「ACPは継続的に行うもの」と伝えたい

会場は、クリニックから徒歩2分ほどに位置する東大阪商工会議所です。ライブで会場にご参加いただく方と、オンライン配信で聴講される方のいるハイブリッド形式で、100名を超えるご参加をいただき嬉しい限りでした。

近年、調剤薬局を取り巻く環境、求められる役割は変わってきています。国も地域支援体制加算などの施策により、地域医療に対する薬剤師の積極的な貢献を求めています。
そんな中、合田先生から「在宅診療におけるアドバンス・ケア・プランニング(ACP)のリアルを伝えて欲しい」とのご依頼でした。

私たちはこの講演で、「ACP(人生会議)が最終段階を意識する時だけに限られたものではない」ことをお伝えしたいと考えました。健康なとき、病気になったときにも「思い」や「願い」があります。しかし、その思いを自分の大切なひとにきちんと伝えないと、思いは実現しません。本人(自分)がして欲しいと思うことと、家族のしてあげたいと思うことは必ずしも一致しないからです。

綾香さんの経験をもとに、その思いは家族内だけでの共有では実現しないこともあることもお話ししました。

願い・思いを実現して差し上げるには地域社会で関わり、多職種のスタッフに対してご自身の思いを共有していただくことが大切です。

  • 受けたい医療の希望は?
  • 希望する療養場所はどこですか?
  • 気がかりなことはありませんか?
  • 今、または未来に向けて不安なことは?
  • 自分が大切にしたいこと、穏やかになれるものはなんでしょうか?

こうした大切な問いへの答えは人それぞれ、親子や夫婦でも考えが異なるものです。
そして答えは、年月とともに変わっていきます。だから繰り返し機会を作って、思いや願いをお話ししていただくことが重要です。

きっかけが必要だから「縁起でもない話をしよう会」

とはいえ「自分にはそんなものは必要ない、縁起でもない話をしないでくれ」などという反応もありがちです。親子や夫婦のように親しい間柄こそ逆に話しづらいなどという実態もお聞きします。

そこで私たちは、話し合いをするきっかけのひとつとして「縁起でもない話をしよう会」を開催しています。

 

あるときは管理栄養士が話題提供を行い、『最後の晩餐。何を食べたいですか?誰と食べたいですか?それはなぜ?』をお題に縁起でもない話をします。

クリックするとPDFをご覧いただけます

別の機会では、ファイナンシャルプランナーが話題提供を行い、『予後が半年と告知されました。先に生命保険の一部として1000万円が自由に使えます。どのように使いますか?』のお題で縁起でもない話をしました。

クリックするとPDFをご覧いただけます

こんな「もしも話」から、自分自身の思い、大切にしている人やものに思いを巡らせます。これが自然とACP(人生会議)になります。少人数での話しやすいグループワークを経ると、参加された方々は口々に「自然と話ができた」「人それぞれ、思いの違いに驚いた」「この方法なら気軽に試せそうだ」などと効果を実感されていました。

普段の相談相手として薬剤師の力が発揮されるかも

ただし、いわゆる「万が一のときに備えて…」という考え方も大切ですが、万が一に備えるだけがACP(人生会議)ではありません。そこで、訪問する薬剤師の出番となるケースもあるように思います。

私たち医療・介護・福祉従事者は、どのような状況であったとしても、人生の最終段階にある方の支えとなることが求められています。私たちに出来ることは、その人の苦しみをキャッチして、支えとなり、選ぶことの出来る自由を叶えることです。

しかし患者さんは誰にでも相談できるわけではありません。安心して心を許せる相手は限られています。そのとき相談相手として、訪問した薬剤師を選んでくださるとしたら。

だから、医師、看護師とともに薬剤師のみなさんとも日頃から顔の見える関係を築き、情報を共有することが大切になります。
全力で医療、介護がチーム一丸となって支えねばなりません。

日頃からの在宅医療・介護の連携によって、「苦しみをキャッチし、支え、選ぶ自由を叶える」事例はたくさん生まれています。「これからも、一人残らず支えられるようにしてきたい、だから薬剤師の力が必要だ」と、強くお伝えしました。

そして講演の最後に問いかけました。
・なんのために生きてますか?
・誰のために生きてますか?

そして、小田和正さんの歌詞の言葉でまとめました。

たしかなこと(作詞:小田和正)
いちばん大切なことは特別なことではなく
ありふれた日々の中で大切な人に伝える

今回、ご清聴いただいた薬剤師の皆さま、ありがとうございました。
ぜひみなさまと、各地域の周囲にいる医療・介護スタッフとの間で顔の見える関係を築いていただけることを願っています。

会場の東大阪商工会議所

【今週の東大阪プロジェクト】
東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます


【地域連携・緩和ケア講演会・第27 東大阪プロジェクト】
日時:令和4520日(土)18時から20時(1745分開場)
定員:オンライン 500
全国から医療や介護にかかわる職種の方はどなたさまでも参加いただけます

今回のテーマは「医療・介護者が作るバリア」
第1部:18時10分~19時
「その人らしさを支える緩和ケアと地域連携」
八尾市立病院 緩和ケアセンター部長 蔵昌宏 先生
八尾市立病院 地域連携室MSW 西麻弥 さん

第2部:19時~19時50分
「こころのバリアフリーを実現する緩和ケアと地域医療」
~気づいていますか 医療・介護者が作るバリア~
医療法人綾正会かわべクリニック 看護師 川邉綾香

【申し込み】
https://88auto.biz/higashiosaka/registp/entryform30.htm

\\こんな方の参加をお待ちしています//

・穏やかな緩和ケアを行いたいけれど、なかなか実現できない
・多職種間での情報連携が難しくもどかしい思いをしている
・私たちが取り組んでいる緩和ケアは、正しいのだろうか?

初めての方もお気軽にご参加ください。明日からのお仕事に何か役立つはずです。

緩和ケア講習会のご案内

クリックすると拡大表示されます

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