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第31回布施緩和ケア研修会(オンライン)を開催しました

令和5年6月17日(土)に、「布施緩和ケア研修会・総会」(布施医師会主催)が開催されました。

医師会が主催のイベントで医師や看護師など医療職が対象ですが、介護職など多職種の方々にも門戸を広げて研修会を行っています。

今回の研修会は「緩和ケア×がん遺族支援」をテーマとして、がん家族支援を実践されているお二人をお招きしての講演であったこともあり、いつもに増して日本全国各地よりご参加いただけました。

受講者は医師・歯科医師30名、看護師61名、保健師1名、薬剤師11名、管理栄養士4名、介護支援専門員16名、MSW7名、社会福祉士3名など総勢175名でした。ご参加いただいたみなさまに改めてお礼申し上げます。

 

基調講演:がん遺族サロン代表の森一郎先生

第一部は、「愛に満ちたがん遺族支援の実践〜医療従事者と遺族のつながり〜」と題して、協立病院緩和ケア科部長であり、I for You Japan がん遺族サロン代表の森一郎先生に基調講演をいただきました。

こちらから配布資料をご覧いただけたらと思います。

医療者のケアが遺族のグリーフ(悲嘆)に与える影響や、遺族会の意義、遺族会を実施する上での重要なポイントを解説していただきました。

医療現場での具体的な事例を交えながら、医療者や遺族支援に携わる方々にとって有益な情報を提供していただいたと思います。

森先生は「医療者がご遺族のグリーフケアを行うのに最も適した存在だ」と話し、遺族サロンの開設の意義を訴えました。さらに講演の最後では、患者さん、ご家族、ご遺族がともに集まる場所をつくり、共有する重要性にも触れておられました。

講演を通して私の印象に残ったのは「なぜ遺族サロンをするのか?」という問いかけでした。

森先生の答えは

  • 苦しんでいる遺族がいるから
  • 苦しんでいる遺族がいることを知っているから
  • 医療者ができることがたくさんあるから

どれも「私にできることは何か」を考えさせられる重い言葉で、ズシリと心に残っています。

 

第二部:カトリック布施教会の上田憲神父

第二部は、「カトリック神父の役割〜宗教者としてのケア〜」と題して、カトリック布施教会の上田憲神父に講演をいただきました。

こちらも配布資料をみなさまにもご覧いただけたらと思います。

上田神父は宗教のそもそもの意味、病気や死に直面する患者や家族における宗教の役割についてお話ししました。「寄り添う」とはどういうことか、そして私たちが心掛けるべきことについても述べられました。

宗教と病、宗教と死は切っても切れない関係であり、カトリック教会では昔から病気の人々を見舞い、よい終末を迎えるために寄り添ってきました。

上田神父はこのことを踏まえ、宗教者の最も重要な役割は「押しつけること」ではなく、「寄り添うこと」だと強調しました。

相手の思いを受け止め、自分が考え得る相手にとっての最善を差し出すことが大切というメッセージが、私の印象に特に残りました。

最後は、神父にも大きな影響を与えたある患者さんとの出会い、またある患者さんとのご家族の別れという2つの事例が紹介されます。「愛」に関する聖書の言葉が読み上げられ、講演を締めくくられました。

アンケート結果の紹介

研修会終了後、参加者のみなさまから多数のアンケート結果を頂戴しました。そのうちのいくつかを、こちらでもご紹介します。

<皆様からいただいた感想>

  • 話を聴く際の基本姿勢について、自分が対応してきた患者について振り返るきっかけになりました。身近な人々へのポジティブなフィードバックにも心を配りたいです。
  • グリーフケアを行う者は信頼を築きやすい医療者が最も適していることを知り、自分にもできることを真剣に考えようと思いました。
  • 自分の対応が常に正しいかどうかで悩んでいましたが、相手にとって最善のことを提供することが重要だと救われた気がしました。
  • 相手を大切に思う時、人は愛を感じるという言葉に感動しました。

こうした意見が寄せられ、主催者の思いが参加者にしっかりと伝わっていることがうれしく感じられました。

お二人の講演を聞いた私の決意

今回の講演を聞いた私は「自分にできることはなにか」を考え、そして決意しました。

  • 仲間とともにがん遺族サロンを開設します
  • がん遺族サロンに関わる方への研修会を開催します

ご参加いただいた方にとって、明日からではなく「今すぐ」からのヒントとなったのではないでしょうか。
今後も、この取り組みを拡大し、医療・介護に関わる全ての職種を対象に緩和ケア研修会を開催する予定です。多くの方々にご参加いただけることを心より願っています。

そしてずっと参加したいと思っていただけるような、多職種が集い共に学べる場所を提供していきます!
次回の布施緩和ケア研修会は、今年(令和5年)10月7日に予定です。ご関心を持っていただいた方は、またこのブログをチェックいただければと思います。

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~穏やかなエンディングをみんなで~

今後も研修会を定期的に行ってまいります。
ぜひ、ご参加ください。

【今週の東大阪プロジェクト】
東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます

>ぜひご参加ください<<

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東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます

令和5年度3市3町多職種研修会  

【申し込み】
https://forms.gle/FyQnmm2Kg6K9otYf9

【ご注意ください】
上記より申し込みが必須です。
参加予定ボタンのみでは、参加に必要なURLは届きません。

主催:泉佐野泉南医師会地域連携室
日時:令和5年9月9日(土)15時から17時
定員:200名(事前申込制 8/25締切)
対象:医療・介護事業所等の関係者

今回のテーマは「看護師主体の在宅医療~『自然と』お互いに気軽に相談できる『誰もが主役の町』」

・開会挨拶:石本喜和男先生(泉佐野泉南医師会会長)
・座長:松若良介先生(泉佐野泉南医師会副会長)

・講演:
「質の高い在宅医療を実現するための取り組み報告」
医療法人綾正会かわべクリニック 看護師 川邉綾香
「高まる在宅医療ニーズに地域社会が応えるには」 院長 川邉正和

・意見交換会&名刺交歓会
地域連携におけるバリア(障壁)について意見交換

*終了後に懇親会を予定しています

場所:スターゲイトホテル関西エアポート
時間:17時30分
会費:6,000円

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