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支えがあると穏やかになれる。「生ききる」ことの豊かさ。【看取りの報告書・BPさまのこと】

かわべクリニックでは、患者さまが最期の時間を過ごされたご様子を「看取りの報告書」としてまとめています。これまでお見送りをした患者さまの「看取りの報告書」を、担当看護師の思い出とともにご紹介したいと思います。

安心や支えで最期の迎え方と過ごし方は変わる

病院への看取りの報告書

いつもお世話になっております。昨夏、化学療法ができなくなり緩和ケア病院へつないでいただいたBPさまについて、ご報告させていただきます。厳しい予後を理解され、覚悟の上で開始された在宅療養でした。元々お持ちだった強い生命力を礎に、かわいがっておられた3歳と1歳のお孫さんたちを喜ばせたい、少しでも自身の記憶を残したいという希望がBPさまの活力となっていました。
ご家族で出かける旅行や外出の計画を立てて、実現を目標に、前を向き続けられました。最後の外出は春先、お孫さんが好きな近鉄特急「ひのとり」に乗って、名古屋へ。「楽しかった」と笑顔でした。また、貧血が進んだ際、適切なタイミングで輸血していただき、元気が戻ることもBPさまの大きな支えでした。

ADLが低下してからは、状態悪化を受け止め、輸血を必要とされることもなくなり、奥さまの介護を受けての療養が続きました。ご家族に見守られる中、安らかに永眠された日の午前中から身体の異変を感じたBPさまは、家族それぞれに言葉を残されると共に、A病院ではできる限りの抗がん剤治療をしていただき、B病院の緩和ケア科につないでいただいたこと。そしてB先生には、在宅医療が主軸となった後も、連携の元、必要な治療を最期まで実施していただけたことへの感謝の言葉を奥さまに残されていました。

BPさまの充実した在宅療養は、両先生のご尽力によるものであり、医療の満足度も高かったことを記しておられました。ありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

初回訪問までの経緯

A病院より予後1ヶ月未満と診断されたBPさまは、最期まで同じ病院では過ごせないため、B病院緩和ケア科に転院となりました。転院後の状態が落ち着いていたことから、緩和ケア科の先生から「自宅で療養してみませんか?」「24時間対応してくれる、訪問診療の先生がいますよ」と自宅療養の選択肢を提案されたそうです。

説明を受けて、BPさんは「じゃあ、ちょっとだけ帰ってみようかな?でも何かあったらまた戻って来こられる?」と先生に尋ねました。B先生が「困ったらいつでも戻って来てもいいよ」という言葉に安心して自宅に戻る選択ができました。

初回訪問時、A病院から「残された時間が短い」と説明されていたため、BPさんも家族さんも不安な表情でした。そこで、私たちは緩和ケア病院のB先生と連携していて「もし困った時には相談できるし、入院のお願いもできますよ!」と改めて説明し、今は「体調管理および症状緩和を行いながら、BPさんの希望を叶えましょう」とお伝えして訪問診療が開始となりました。

安心感から希望がかなった

この安心感によって、BPさんの口からは「孫と外食したい」「運動会に参加したい」と、次々に小さなイベントの希望が飛び出てきました。この存在が大きな支えとなったのは間違いありません。また、症状緩和目的での輸血をして頂くことで、たっての希望であった孫との「ひのとり」での旅に行くこともできました。

運動会のようす

亡くなる数日前にも「今度はどこ行こうかなー」と言われ、その後安らかな眠りにつかれました。今でもクリニックの休憩室から「ひのとり」が走っているのが見える度に、BPさまの様子を思い出します。

特急列車ひのとり

死が目の前に迫ってきたときの私たち

死を前に私たちはどのような心持ちでいられるでしょうか?
その答えは簡単ではありません。このテーマは縁起でもなく、想像しにくいものであり、避けたくなる人もいるでしょう。しかし、そのような状況にあるにもかかわらず、穏やかに過ごす人々もいます。

小澤竹俊先生の著書では次のように紹介されています。

「人は苦しみを抱えながら穏やかになれるのか?」という問いに、同じ死であったとしても、穏やかである、幸せであると見える人がいて、一般には恐れられる死を見ても、違うように見えることがあり得るのです。--死を前にした人にあなたは何ができますか|医学書院

穏やかになれる、その理由は「支え」があるからです。人々は大きな苦しみを抱えながらも、穏やかさを見出すことができるのです。この支えには大きく分けて3つの要素があります。

・将来の夢=時間存在
・支えとなる関係=関係存在
・選ぶことができる自由=自立存在

また、穏やかさを見出す条件は個々人によって異なります。ただ漫然と眺めていても気づかないことを、選ぶことができる自由という視点をもって見ようとすると、いろいろなことに気づく可能性が広がります。

BPさまには、
・自宅で療養できることが選べる
・孫と外食、外出することが選べる
・新たな希望を持つことができる

さらに新たな希望を抱くこともできる。まさに支えの3要素があったからこそ、穏やかな最期を迎えることができました

死を迎えることは、簡単な話ではありません。想像することさえ難しいかもしれません。しかし、支えを見つけることで、穏やかな時間を過ごし、生ききることの喜びや深さ、豊かさを学びました。
そんな経験から、私はBPさんを通じて、多くの方々にこの豊かさを伝えていきたいと思います。

【今週の東大阪プロジェクト】

東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます
>ぜひご参加ください<<

【東大阪女性経営研究会 公開講演会 in東大阪商工会議所】
\アドバンスプランニング研修のご案内です/

主催:東大阪女性経営研究会(東大阪商工会議所)

【申し込み】
参加を申し込む 参加無料

話題提供:
縁起でもない話で幸せになれる?
~「おだやか」のプロが伝える後悔しないための会話~

いばしょ株式会社 代表取締役 かわべクリニック看護師 川邉綾香
かわべクリニック院長 川邉正和

やり残したことはない、生まれてきてよかった。どうせならおだやかに死にたくありませんか。
その秘訣は、どんな死に方を望むのかを話しておくこと。最後に何食べる、お葬式に誰を呼ぶ、家や財産、会社はどうしたい?
こんな縁起でもない話を、大切な人と今すぐすること。希望が変わったら、また言葉にして伝えること。
多くの人がまだ知らない、感謝と愛情に包まれながら旅立つ方法を「おだやか」のプロがお話しします。

日時:令和6年3月13日(水)16:00~17:30(お早めの来場をお願いいたします)
場所:東大阪商工会議所本所本館 4階大会議室(大阪府東大阪市永和2-1-1)近鉄奈良線 河内永和駅 徒歩2分
定員:80名
対象:どなたさまでも(職種は問いません)
参加費:無料
東大阪女性経営研究会公開講演会のちらし

※画像をクリックすると拡大表示されます

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