かわべクリニック

在宅療養支援診療所

かわべクリニック

内科・緩和ケア内科・呼吸器内科

〒577-0843 東大阪市荒川3丁目5番6号 MMビル203

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【看取りの報告書】Lさまのこと

クリニックでは、患者さまが最期の時間を過ごされたご様子を「看取りの報告書」としてまとめています。

今までかわべクリニックがお見送りをした患者さまの「看取りの報告書」を、担当看護師の思い出と共にご紹介していきたいと思います。

「母のために絶対に家に連れて帰りたい」という娘さまの強い思い。
その熱意に応え、わずか2日後には退院することができました。

Lさまのこと
~すぐにでも退院させたい。先生、お願いします!~

[看取りの報告書]
医療ソーシャルワーカー Mさま

Lさまについて、ご報告させていただきます。

1月下旬に退院された後は、1日2回の訪問看護を実施いたしました。
夜間点滴が可能となったことで、Lさまは日中は洗濯や家族の食事を作られるなど、安堵感に包まれながら有意義な時間を過ごされていました。
それと同時に、「痩せたくない」という理想の自分の姿、「痩せないためには食べる、食べたい」という思い、そして「食べても吐いてしまう」という葛藤に苦しまれていました。
そのような中、私どもは傾聴を中心に症状緩和に努めていきました。

しばらくして少量の吐下血がありましたが、Lさまのご希望で病院には行かずに在宅療養を継続。
酸素投与など最低限の処置にて症状コントロールを実施いたしました。

やがて不穏症状が出現し、ドルミカムにて軽く鎮静を開始。
Lさまはフィギュアスケートの大ファンで、その影響でご家族みなスケートに詳しく、往診時もTV観戦をしては、家族みんなで大盛り上がりなさっていました。
そして試合を見届けたかのように、2月下旬、ご家族全員に見守られる中で安らかに永眠されました。

ご長女さまは、「4年前にガンと診断を受けましたが、手術ができず、抗癌剤治療でここまでよく頑張ってきたと思います。家族としてはやれるだけの事はできたので、後悔はありません」とおっしゃり、その力強い言葉が印象的でした。
改めて、私たち医療者はご家族のお気持ちに添えるケアを提供できるように努めたいと、強く感じました。

[医療ソーシャルワーカー Mさまからの手紙]
相談員のMです。Lさまのご報告書を拝見いたしました。
在宅でのご様子を細かく教えていただき、本当にありがとうございます。

Lさまは自宅退院の希望が強かったので、急ぎの退院調整となり、クリニックや訪問看護師のみなさまには本当にバタバタとさせてしまい、申し訳ありませんでした。
かわべクリニックさんも訪問看護師さんも快く受け入れてくださり、本当に短い時間での退院調整でしたが、なんとか退院まで辿り着くことができました。

正直なことを申しますと、私は、「退院してもすぐまた入院してくるかな」と思っていました。
しかし、川邉先生方の手厚い診察のおかげで長く自宅で過ごせた事は、Lさまにとっても、ご家族さまにとっても一番よかったと思います。

その後、Lさまがどうしているかな、と気にしていましたが、日常業務の中で余裕がなく、電話ひとつできずに申し訳ありません。
いただいた報告書を拝見して、Lさまが自宅で最期まで過ごせたことが本当に嬉しく、医療相談員として仕事をしていて本当によかったと感じました。

これも全部、かわべクリニックの皆様、訪問看護ステーションの皆様のおかげと思います。
きっと、時間のない中での退院調整だったので、足りないことがたくさんあったと思います。
退院後のフォローもありがとうございました。
このようなご報告をいただきまして、医療ソーシャルワーカーとしてLさまに関わることができて本当によかったと思いました。
本当にありがとうございました。

[ケアを振り返って]
娘さまからクリニックに直接連絡があり、「母のために絶対に家に連れて帰りたい」とお話をいただきましたので、急いで退院調整を実施。
電話を受けた日に訪問看護ステーションに依頼をし、病院と連絡を取り、翌日の夕方に退院前カンファレンスを行い、そして翌々日には退院。
まさしく、「退院したいと思ったときが退院するとき」だったと思います。

「退院したい」という患者さまの願いをかなえるためには、クリニックの力だけでは難しいのです。
日頃から地域医療や在宅医療を支えるクリニックや訪問看護ステーションなどと顔の見える関係を築くこと、患者さまの想いをかなえたいという気持ち、そしてかなえるための行動力が必要なのです。

在宅医療の様子を病院の相談員の方にお伝えすることで、より在宅で過ごすことがイメージしやすくなります。
病院から在宅医療への橋渡しとなることを願って、その手掛かりとして看取りの報告書をお送りしています。
今回は、その気持ちがMさまに伝わったことを嬉しく思います。

[ご家族さまからの手紙]
母の件では大変お世話になりました。
先生方のおかげで母にとっても私たち家族にとっても最高のお別れができた事、本当に感謝しております。
本当に本当にありがとうございました。

※プライバシーに配慮し、お名前はアルファベットとさせていただきました。

【看取りの報告書 バックナンバー】
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