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人を動かす「リーダー」に必要なことは?

こんにちは。
看護師の川邉綾香です。

かわべクリニックでは、看護師を主体としたフラットな在宅緩和ケアチームを地域で作ること、その輪を医療・介護職に限定せずに多職種、つまり文字通りひとつでも多くの職種が関わるような「システムの構築」を目指しています。

では、看護師が主体である医療への転換において、看護師に求められる力とは何でしょうか。
今日はこのことを考えてみたいと思います。

幾度となくこのブログにも登場している雑誌『Harvard Business Review』より、『人を動かすリーダーに必要なこと』という記事が目に留まりました。
これはいわゆるビジネス本なのですが、看護師に求められる力と通じるものがあったので参考にしてみたいと思います。
ここで言うところの「リーダー」を「トリアージ役」と捉えてみると、医療と介護の両面を俯瞰的な視点で見ることができる看護師が、ケアチームのリーダーであるとも定義付けられます。

皆さんは「エグゼクティブボイス」という言葉を知っていますか?
私は初めて聞いた用語だったのですが、リーダーとして何を言うか、どのように言うか、いつ言うか、誰に向かって言うか、それを適切な文脈で言えるか、そうしたことの総体を指す言葉だということです。
では、なぜ看護師に「エグゼクティブボイス」が必要なのでしょうか?

私が報告を受ける際によく感じることなのですが、相手のニーズや文脈を踏まえて戦略的に考えることをせず、自分が言いたいことだけを並べ立てた内容になっていることがあります。
その結果、伝えたいであろうことの半分程度しか伝わらず、それがお互いの不平不満に繋がります。
多職種、どの職種に対しても信頼され、影響力を与えるためには、「エグゼクティブボイス」に磨きをかけ、日頃のコミュニケーションや担当者会議やカンファレンスの中で、相手に果たしてもらいたい役割を簡潔に伝えること、また多職種であることを意識して専門用語を避け、少ない言葉数で効果的にポイント押さえてわかりやすく伝えることが重要です。

このことの重要性は、
「シンプルかつ的確な報告ができる!「I-SBARC」を活用しましょう」
にも書いていますので、ぜひご覧ください。

~「エグゼクティブボイス」に
磨きをかけるために大切な5つのこと~

(1)文脈を理解する
自分の考えを述べ、他人の考えとすり合わせ、協力してしかるべき結論を見いだす。
実際に、患者さまやご家族さまの考え、医療者・介護者の考えと様々な考えが出たときに、「患者さま・ご家族さまを主語に考えて」を合言葉に、その状況での最善を見出すのが私たち看護師の役割となります。
しっかりと人の話を聴き、苦しみをキャッチして解決に向かう。
それがリーダーとしての看護師の役割なんです!

(2)ビジョナリーになる
ビジョナリーとは、先見の明がある人という意味です。
ビジョナリーであるためには、患者さま・ご家族さまの将来像が見える医療・介護・生活を見抜く力を身に付けることが必要です。
一歩先が見えるケアこそが、意思決定の指針となります。
ここでも「患者さま・ご家族さまを主語に考えて」、自分自身の感情や行動に焦点を当てず、全体を俯瞰的に見て、アセスメントを行い、それを多職種にしっかりと伝えるコミュニケーション技術が問われます。
こちらも
「一歩先を見た行動が大切!」
に相手の動きを把握した動き、一歩先を見た行動の重要性を書いていますので、ぜひご覧ください。

(3)戦略的な関係を築く
患者さま・ご家族さまの具体的な目標を念頭に置き、そのために活かせる人間関係を築くことが求められます。
忙しい日々を送っていると、幅広い人間関係を築くことの重要性を見失いがちです。
まずは、自分の仕事や専門分野以外にも知識を広げ学ぶこと。
東大阪プロジェクトのクレドである『出会うことで動き出し、共に未来を変える~穏やかなエンディングをみんなで~』という世界観に共感してもらえる仲間と、そのような関係を築きたいと思っています。

(4)問題を指摘するだけでなく、解決策を提示する
私たちは最期まで、教え・教えられる人生を送ります。
これは永遠のテーマと言っても過言ではありません。
課題を指摘するだけで解決策を提示しない相手に、不満を感じるのは当然の事でしょう。
相手にどのようになって欲しいのか、相手の頭の中を支配できるように実践可能なレベルにまで落とし込んだ形での、問題解決の道筋を提示することが必要です。
こちらは
「新人教育で先輩看護師も成長を!」
でリーダーとして自分の能力を自覚することの重要性を書いていますので、ぜひご覧ください。

(5)プレッシャーがかかる状況下でも、冷静さを保つ
どんなにストレスを感じていても、感情に振り回されるのではなく、力強いエグゼクティブボイスでチームを引っ張っていくこと。
そのためには自分のエグゼクティブボイスの欠点を見つけ、振り返り、改善する作業を怠らないことが求められます。
その結果が、チームをよい方向へ導く力となって働くのではないかと考えます。
「不安を和らげ、自分を成長させる4つのステップ」
で、不安を感じた時に自分の傾向を見つめ直す作業の重要性を書いていますので、ぜひご覧ください。

看護の本だけでなく、さまざまな分野の本からも看護実践に役立つ知識が得られます。
これからも時間が許す限り、自分の成長のために色々な本に出会っていきたいです。

最後に、最近読んだお勧めの本をご紹介します!

『世界で一番やさしい資料作りの教科書』
ライフプランナーさんがお勧めの一冊で、すぐさま購入。
以前から私が大切にしていることのひとつが、「どのように伝えるか」ということ。
“私”が伝えたいことではなく、視聴者が知りたいことをいかにして伝えるのか。
この本には、ストーリー性あふれる表現で「無駄のない行動を起こさせる意思疎通」や「自分の思いをストレートに伝えるプレゼンテーション」を実現するための上手なコミュニケーションや資料作りの方法についてが著されています。

『こころの深呼吸』
気付きと癒しの、366の言葉。
1日1ページ読むと心を落ち着かせるてくれる、そんな本です。

【縁起でもない話をしよう会・第10回東大阪プロジェクト(オンライン)】
日時:10/9(土)18:00~19:30
定員:30名程度
対象:どなたさまでも(地域制限はありません)
話題提供:シニアライフプランナー 青木共子 氏
テーマは、『お金で選択肢を・閉ざされない人生を』
「家族のライフプランニングや人生会議をするうえで、切っても切り離せない、お金にまつわる問題。
人生で重要な選択を迫られた時、どんなお金がどれだけあれば安心なのか。多くの人が意外と知らない、生命保険でできること。
自身の母の介護経験も経て多くの方が抱える経済的問題に向き合ってきたライフプランナーと共に、考えてみませんか。」
後半は、話題提供を受けての語り合いの時間。
5名程度のグループとなり、自由に縁起でもない話をしていただけます。
▼詳細については、以下記事をご参照ください。
◇Facebookはこちらです◇
▼お申し込みは下記からでも出来ます
https://88auto.biz/higashiosaka/touroku/entryform1.htm
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