排泄ケア緩和ケア講演会(オンライン)を開催しました。
令和3年11月13日(土)にオンラインにて、「排泄ケア緩和ケア講演会」を開催しました。
EAファーマ(株)さまの協力のもと、看護師をはじめ医療介護職を中心に多くの皆さまにお声がけいただき、受講者は、医師13名、歯科医師2名、看護師137名、管理栄養士3名、薬剤師17名、ケアマネージャー11名の総勢263名でした。
講演を重ねるごとにお申し込み、ご参加ともに増えているのも、主催いただきましたEAファーマ(株)様、アルフレッサ(株)様、及び東大阪プロジェクト事務局の皆さまのおかげです。
本当にありがとうございます。
以前からお伝えしておりますように、東大阪プロジェクトにおける講演会・研修会は、医師や看護師などの医療職に加え、介護職など多職種に門戸を広げています。
今回も、東大阪プロジェクト代表福村雄一先生(司法書士)に司会を担当していただきました。
テーマである「排泄」。ひとりでトイレに行けなくなってしまうことで尊厳が失われることも少なくありません。
そのような状況を目の前にして、私たちは何が出来るのか。
「排泄ケア」は皆さまにとっても関心の高いテーマであったこともあり、多くの方にご参加いただきました。
本当にありがとうございました。
【講演1:栄養ケア】
栄養ケアでは「ひとりひとりに合わせた排泄ケア〜コンチネンスケア〜」と題し、西村かおる先生に講演をいただきました。
私の学びを共有させていただくと…
○留学した英国での経験
知識があれば、単なる慰めでなく、具体的な解決策を提示して不安な生活から抜け出させてあげられる。
○高齢者の誇りと心を考えるケア
排泄ケアにあたっては、ケアする対象の方々の尊厳や心を考えることも大切。
排泄障害には精神的な要因も大きく影響することを知っておくべき。
○排泄障害には必ず原因がある
その問題が起きている「なぜ」の部分を考える。
忘れないでほしいのは、ひとりひとりが違うということ。
主体性を持って高齢者と接することで、よりよいケアが生まれる。
■アンケート結果
ご感想の一部をご紹介します。
・排泄ケアがその人の尊厳を守ること、排泄ケアのアセスメントを正確に行うことの大事さ、よくわかりました。わかった上でそれをひとつひとつ実践していかなければいけないと思いました。排泄ケアを適切に行うことで、患者さんや家族の希望や支えに近づけると思えました。
・似たような排尿障害の患者さまでも処方内容が違う理由に、認知症の方への対応もあるのだなと知ることができました。
・排泄という行為は、その機能だけでなく、生活行動全てに関わるということを改めて実感できました。泌尿器科看護師としての経験、訪問看護師としての今、とても興味深い講義でした。
・介護の仕事に携わっており、排泄介助は必須です。排尿や排便の奥深さ、記録をとる上で非常に重要なことがわかる、潜んでいる、と知ることができて良かったです。また、ご利用者様で、死にたいとか、パーキンソン病の方々で、目はいい、こちらの言葉は理解できる、本も読まれる、だけど体の動きが徐々に制限されていっていることが自覚出来ている、そんな方のたまに出す弱音、『死んだほうがいい』『生きていても仕方ない』『(いつも以上に)どうもありがとう(何度もくり返される)』そんな時の対応のヒントを見つけた思いです。
・排泄関連の問題がある人は多いですが、羞恥心があり本当のことがわかりにくい事が多いです。今回のしっかり食事や排せつ状況を記載し、見える化をすることで分析し、アドバイスをして行けるような気がしました。
・衰えゆく身体の中で排泄が自立できなくなった時、死にたいと訴える患者さまは多くいます。尊厳を大切にというお話は、改めて原点に戻らせていただきとても良かったです。排泄についての視点も整理していただき、自己学習で深めていきたいと思いました。
・西村かおる先生のお話は、何回聞いても本当に分かりやすいし、いつも自分の足元を見つめ直す内容で振り返りになります。
・排泄に関しては、尿も便も両方ともで相談されることや下剤についても対応する場面が多いので基本を知り、その人にとってのリズムを改めて考えないといけないことを再確認することができました。
【講演2:緩和ケア】
緩和ケアでは、「ちょっぴりホットな緩和ケア〜あなたの大切にしている尊厳は何ですか?」と題して、かわべクリニック看護師 川邉綾香が講演を行いました。
<まいこさん、30歳女性(シングルマザー)、肺がん末期。両親、息子(小学校4年生)の4人暮らし>
是非、動画でご覧ください(事例紹介は2:53から)。
当日配布した資料です。画像をクリックするとPDFでご覧いただけます。
■アンケート結果
ご感想の一部をご紹介します。
・綾香先生の事例はいつも心を揺さぶられ、こうありたいという目標です。看護の力を示していただいて、私達も…と決意を新たにしました。
・川邉綾香先生の話、毎回泣いてしまいます。今回は自分の子どもに近いお子さんのいる患者さんで、泣かずにはおれず、患者さんの気持ちに寄り添うほどに辛くて、綾香先生のように医療者としてケアし続けられるのか、と弱気になりました。聴く覚悟をしっかり持つために経験やこのような講演会で学ばせてもらっています。本当にありがとうございました。
・患者さまとの会話での「間」「沈黙」のお話が、とても勉強になりました。勉強になったからと言ってすぐ実践に移せるわけではありませんが、今後の自分自身の援助方法に取り込んでいきたいと思いました。いつも素晴らしい研修をありがとうございます。
・綾香先生の講演も胸を痛くしながら聞かせてもらいました。日々悩みながら多くの利用者さんの話を聞いています。今日学ばせて頂いたことを生かして、また頑張ってみようと思います。ありがとうございました。
・聞く力は終末期だけではなく、すべての人対象に使え、自分を成長させていかなければならないと思いました。今回の終末期の話は若くつらく思いました。色々な年齢層の人を対象にされて、毎回同じではなく、毎回色々と考える機会となっています。ありがとうございました。
・川邉先生のお話は、私自身が急性期病院で、がん患者にかかわることが多い中、どうしても限られた時間で結論を急いでしまう自分の反省としてとてもためになる内容でした。
・同じ経験を何度もしています。言葉は出ないので、沈黙は必然でした。振り返りになり、良かったんだと思いました。
・ACPについては、反復と沈黙の繰り返しであるということを納得しました。具体的にどのようにかかわっていこうか考えている日々の中で、沈黙の意味を初めて考えることができました。
・緩和ケアについては反復と沈黙。ケア中に「どんな顔して死ぬんやろ」と聞かれた時に、すごく戸惑ったのを覚えています。今回の講義ではどう関わっていけば良いのか勉強できた反面、対応の難しさを改めて感じています。わかったつもりにならず、傾聴しどう思っているのかを聞き出せるよう看護していきたいと思います。
・尊厳と言うテーマが心に残る勉強会でした。思想や理念だけでなく、知識と技術が人として最後まで尊厳をもって生きる事を守り、支える力になるという事を改めて感じました。学びを止める事無く、続けていきたいという気持ちになりました。
・看護のチカラを感じた次第です。明日からのエネルギーを頂きました。ありがとうございました。
また運営についてもご感想をいただきました。
・関西圏以外からの参加でした。圏外からこのような貴重な研修に参加できよかったです。
・研修開始前のアイスブレイク的な時間も好きです。
・毎回様々なケアに緩和ケアを掛け合わせているところに、ケアの基本的は傾聴の姿勢であるというメッセージを感じます。今後も楽しみにしています。
また、下記のような建設的なご意見もいただけました。
・川邉先生の事例講習も良かったのですが、緩和ケアに対しての考えが少し、主観的であったのが少し残念でした。しかし、次回も楽しみにぜひ参加したいと思います。継続した講演会を待ってます。
・西村先生のお話は素晴らしかったです。もう一人の方は、つまらないを通り越して有害だったと思います。エビデンスなき精神論なんて、排斥すべきです。
・どの研修会でもですが、質問が多く時間内に回答できない場合、後日参加者全員にも回答が見られるような研修会がいいですね。
東大阪プロジェクト
出会うことで人が動き出し、ともに未来を変える
~穏やかなエンディングをみんなで~
今後も研修会を定期的に行ってまいります。
ぜひ、ご参加ください。
【今週の東大阪プロジェクト】
東大阪プロジェクトの活動の一部をご紹介させていただきます
>>今週ご紹介する動画<<
【在宅復帰・在宅療養のサポート〜より快適な在宅生活のために〜】
東大阪プロジェクトメンバーである「宙(SOLA)」の田中宏幸さんの想い・活動。
「宙」はエンドオブライフケア協会の趣旨と東大阪プロジェクトの一員として苦しむ人の「支え」に取り組みたいと思います。
是非、ご覧ください!
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東大阪プロジェクト公式YouTubeのご視聴ありがとうございます。
先日1月7日の時点でチャンネル登いただいた方が200名を超え、一同喜んでおります。
医療介護従事者だけでなく地域包括ケアシステムに関わる皆様に役に立つ情報提供を行っています。
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