かわべクリニック

在宅療養支援診療所

かわべクリニック

内科・緩和ケア内科・呼吸器内科

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【看取りの報告書】Oさまのこと

クリニックでは、患者さまが最期の時間を過ごされたご様子を「看取りの報告書」としてまとめています。

今までかわべクリニックがお見送りをした患者さまの「看取りの報告書」を、担当看護師の思い出と共にご紹介していきたいと思います。

まだ40代半ば。引きこもり期間が長く、体調不良の訴えも遅く、診断を受けたときには末期状態で…

Oさまのこと
~母一人、子一人。別々の人生を歩んでいたが、最期は共に…~

[看取りの報告書]
退院支援課 A様

Oさまについて、ご報告させていただきます。

診断を受けたときに、すでにガン末期状態で予後は数ヶ月だったOさま。
ご本人の「治療を受けずに苦しまず過ごしたい」という意思を尊重し、症状緩和の治療を行っていました。

お母さまも『末期がん患者の家族のための「看取り」の教科書』をお読みになり、積極的に介護に専念されておられました。

退院2ヶ月後から呼吸困難および倦怠感が出現したため、フェントス等を開始。
疼痛や呼吸困難などの辛さを訴えることなく、それから約1ヶ月後、お母様に見守られる中、ご自宅にて永眠されました。

[ケアを振り返って]
Oさまと出会ったのは、かわべクリニックを開業して3ヶ月が経過した頃でした。

40代半ばのOさまは私たちスタッフと同世代ということもあり、当初は関わりに身構えてしまう気持ちもありました。

初回訪問でOさまにお目にかかったとき、「治療を受けずに苦しまず過ごしたい」とおっしゃったOさま。
『私たちの想いの医療』ではなく、『Oさまの希望する医療』を実現することが私たちの役割なのだと感じた瞬間でした。

もちろん、Oさまに不安や苦しみがない訳ではありません。
ありたい自分であるために、穏やかに過ごすために、何をしてもらえるのか?何をしたらいいのか?
Oさまは、その答えを私たちに求めました。
そして私たちは、可能な範囲で問題を解決していきました。

Oさまの病状が進み、支えているお母さまの身体的、精神的な負担が見えてきた頃、お母様が私に見せてくれたのがこの本『末期がん患者の家族のための「看取り」の教科書』でした。

患者さまの最期の、穏やかな旅立ちを見守るのは、患者さまを支えたご家族の大きな役割であるということを、教えてくれたこの本。
ご家族の役割を示すものが必要なのだと実感し、この経験が、現在ご家族さまにお配りしている看取りのパンフレット「やすらかな看取りのために」の作成に繋がりました。

[お母さまからの手紙]
Oさまのお母さまから二度、お手紙をいただきましたので、その一部をご紹介させていただきます。

Oさまの初七日を終えた頃にいただいたお手紙です。

いきなりの寒波襲来、息子が亡くなってからの私共には尚一層、寒さが身に沁みます。
この度は本当にお世話になりました。

突然の息子へのガン宣告、何が何やらわからぬまま在宅医療という未知の経験に戸惑う私共を親身になって支えて下さり、お礼の申し上げようもございません。
末期ガンという思いがけない宣告ではありましたが、この3カ月余り母と子として濃密な時間を持つことが出来ました。感謝の気持ちで一杯です。

辛い本人も苦しむ事なくあっけない程、自然に旅立ちました。安らかな気持ちで徐々に自分の運命を受け入れて逝ったのだと思います。
短い期間ではありましたが、川邉先生、綾香さん、看護師さん、ケアマネージャーさん、多数の方々に支えて頂き、私共も役目を全う出来た気がしております。
本当に有難うございました。

皆さま方もハードなお仕事の毎日、くれぐれもお身体を大切に、今後一層のご活躍をお祈り申し上げます。

そして、Oさまの一周忌の折にいただいたお手紙です。

前略
その節は大変お世話になり、有難うございました。時の流れは早いもので行きつ戻りつしながらもあっと言う間の一年でした。

お陰様で1周忌の法要も無事終え、これでやっと息子を送り出せたと安堵しております。
息子の魂を身近に感じながら、恥じない人生を歩んで行こうと決意を新に致しました。
お気遣いありがとうございます。
かわべクリニックのスタッフの方々の存在が、今も私に心強さを与えてくれます。又、いつの日か(いつまで寿命がもつかわかりませんが…)お会いできる日(私自身がお世話になる日?)を楽しみにしております。
よろしくお願い致します。
寒さ厳しき折、先生はじめスタッフの健康をお祈り申し上げております。感謝。

※プライバシーに配慮し、お名前はアルファベットとさせていただきました。

【お知らせ】
9月14日、15日に名古屋で開催されましたエンドオブライフケア学会にて、中日新聞編集委員安藤明夫氏による特別講演でかわべクリニックの活動、看取りの報告書のご紹介があり、近日中に同内容を題材とした記事が中日新聞に掲載されることになりました。
詳細が決まりましたら、改めてご報告させていただきます。

【看取りの報告書 バックナンバー】
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