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      医療法人綾正会かわべクリニック

      内科・緩和ケア内科・呼吸器内科

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【看取りの報告書】ACさまのこと

クリニックでは、患者さまが最期の時間を過ごされたご様子を「看取りの報告書」としてまとめています。

今までかわべクリニックがお見送りをした患者さまの「看取りの報告書」を、担当看護師の思い出と共にご紹介していきたいと思います。

ACさまのこと
できる限り治療をしたい。希望は捨てたくない。
でも、最期は自宅で過ごしたい。
~「いつでも自宅(在宅)で待っていますね」と言える関係作り~

[看取りの報告書]
いつもお世話になっております。
貴院を退院されましたACさまについてご報告させていただきます

在宅診療を開始してから、ACさまが治療への意欲を支援できるように体調管理を行っていきました。
そして2週間後には、貴院での放射線治療を期待しつつ入院。
治療終了後、奥さまより
「治療は頑張ったが、動くことが出来なくなった。自宅には連れて帰りたい」
とのご連絡。
いつでも受け入れが可能であることをご説明し、退院となりました。

帰宅時の意識レベルはⅢ群であり、状態から判断して予後が厳しいことが推測されたため、
奥さまがACさまの死を安心して受け入れられるよう「看取りのパンフレット」をお渡し、ゆっくりとご説明。

奥さまは覚悟されているご様子で、
「とにかく苦しまない最期にしてあげて欲しい。願いはそれだけです。」
こちらからは、今のACさまは決して苦しい状態ではなく表情も穏やかであること、そして点滴や内服をせずただ見守ることも治療であることをお話しさせていただき、医師、看護師が毎日訪問し、ACさまと一緒に奥さまが穏やかに過ごせるように支えていくことをお伝えしました。

そのような中、帰る前にACさまの手を握り、明日も訪問する旨を声かけしたところ、開眼。
「自宅に戻ったよ。わかる?」と奥さまが話されると、ACさまのお顔に笑みが浮かびました。

以降、傾眠傾向ではあったものの、息子さまが訪問された際には開眼されるなど、少しの反応を示されていました。

そして、最期の時は奥さまに見守られ、安らかに永眠されました。
奥さまは
「病棟の看護師さんにも『連れて帰るなら今よ』と言われて、その通りにしてよかった」
とおっしゃっていました。

ご紹介ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。

[奥さまからのお手紙]
お葉書ありがとうございました。無事四十九日も終わりました。
まだまだ、現実を受け止められず、毎日を過ごしています。
夫と病気と向き合ってきて辛い時もありましたが、二人で頑張ってきた事を私は忘れません。
そして、最期に先生、スタッフの皆様と出会え、本人の希望通りの看取りができた事を感謝しています。
本当に先生に出会えてよかったです。
JR河内永和駅から「かわべクリニック」の看板を見つけた時に、何か温かい気持ちになりました。
それ以降、看板が見える場所で電車を待つようにしています。
これからは夫との思い出と一緒に生きていきます。
ありがとうございました。
              
[ケアを振り返って]
ACさまの初回訪問では、第一印象として残された時間を積極的な治療をせずに過ごすことがいいのではないかと思うほど、がんによる身体的侵襲がありました。

以前ブログの中でも書きましたが(「初めが肝心 ~アナムネ聴取~ 初回訪問で安心感を提供」)初回訪問でまずは「一番の苦しみをキャッチすること」が私たちには求められています。

ACさまの場合は、
「まだ諦めたくない。治療をすれば動けるようになるはずだ。インターネットで調べたこの病院に行ってみる」
という強い希望がありました。

まずは、しっかりとお話を聴き、受け入れる。
そして、「他の治療をしたい」という希望が、「“最期まで生ききる”ための希望」であれば、叶えてあげたい。
そうして体調を整え、安全に受診できること目標とし、入院なさいました。

入院後、希望していた治療を受けたものの、治療の効果はなく、奥さまから毎日のように病院での様子、病院からの今後の方針などの説明を受ける中で、内心では回復が見込めないと感じていることを吐露されるようになりました。

この世は、「命の誕生があり、そして死がある」
死をどのように受容するのか、人それぞれ異なります。
『死』を受容する過程を尊重し、支えることから逃げないことが、私たちに求められているのです。

入院期間中、かわべクリニックを頼っていただき、奥さまの苦しみを聴き、最期までどのように生ききるのか、ACさまの希望は何かを確認し続ける作業を行い、「自宅に連れて帰ること」を選ぶことができました。
その結果、最期はわずか2泊の在宅療養となりましたが、ACさまらしい、“生ききった”姿を見せていただきました。

【看取りの報告書 バックナンバー】
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