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【看取りの報告書】AFさまのこと

クリニックでは、患者さまが最期の時間を過ごされたご様子を「看取りの報告書」としてまとめています。

今までかわべクリニックがお見送りをした患者さまの「看取りの報告書」を、担当看護師の思い出と共にご紹介していきたいと思います。

AFさまのこと
子供のように無邪気な笑顔の姉
~認知症って悪くないのかもね~

いつもお世話になっております。AFさまについてご報告させていただきます。

当クリニック介入前より、懇意にしている訪問看護師からAFさまについて、たびたび相談を受けておりました。
同居されている妹さまが多忙な合間に受診をすることが難しく、出来る限り自宅での対応は可能か、という内容でした。
そこで医療ソーシャルワーカーを通して、主治医と連携が図ることが可能となり、併診を開始いたしました。

腫瘍からの易出血に対して、放射線治療を実施。
通院回数を考慮していただいたおかげで、負担を最小限に抑えながら治療を受けられたことに感謝されていました。

しかし、原発巣からの出血は続き、たびたび夜間に訪問看護師が止血に走るなど、妹さまの不安を軽減するために対応。
放射線治療が終わった頃よりADLが低下し、体力的に通院は困難と判断。
在宅での症状緩和を中心に対応させていただきました。

AFさまは認知症があったため、がんである認識はなく、常に「みんなにこうやって良くしてもらって嬉しいわ」と感謝の気持ちを伝えられていました。
一方、妹さまは一週間ほどの休みの都合をつけることが出来、AFさまに付き添われていましたが、徐々に姉の病状の進行を不安に感じ、緩和ケア科入院の意向を口にされる場面が増えました。
AFさまにとって、また妹さまにとってどこで過ごすことが穏やかなのか。
今のAFさまが決して苦しそうではないことなど、これから迎える死について説明を行い、そのフォローを訪問看護師と連携して行いました。

そして、訪問看護師と妹さまに見守られる中、安らかに永眠されました。
ご紹介ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。

[ケアを振り返って]
高齢化が進む中で、認知症のある方が癌を患うケースも珍しくありません。
AFさまの場合も、胸部に異変が出現した頃には乳がんの末期状態でした。
胸から出血するたびに「どうして?また、肌荒れが…」と不思議そうな表情をされていましたが、それが癌であることはわからず、処置をすると「親切にどうも~」とお礼を言ってくださる方でした。

一方、妹さまは主治医から厳しい説明を受け、抱えきれない不安と共に、急なAFさまの介護、そして現役で働いておられたため自身の生活の維持をしていかなければならない難しい状況でした。
しかし訪問看護師の「地域のみんなで支えさせてもらってもいいですか?」の一言で、妹さまの気持ちが解き放たれたのです。

毎日のヘルパーさんの促し、見守り、声かけ、訪問看護師の処置・観察、そして訪問診療。
空白の時間はあるけれど、連絡ノートを通して連携を行い、誰かが関わり妹さまの留守をサポートする。
そんな療養でした。

妹さまより
「最期、一人で姉を看取るのは怖かったから看護師さんに来てもらいました。
そして、こうやって姉の手を取り、見送れて本当によかった。
病院では味わえなかったいい時間を過ごす事ができて、みなさまのおかげです。
ありがとうございました。
姉は最期まで自分の病気もわかっていなかったようで自由に過ごしていたけど、訪問に来てくれた人に感謝を忘れず、素敵な最期でした。」

認知症において大切なのは、その方の環境を変えないこと。
それが認知症の悪化を防ぎます。
でもそのために、介護している人の負担や不安が増えることもあります。
その時は、わたし達「地域のみんな」がいます!
『支えるメンバー』さえ揃えば、その人らしく穏やかに過ごせると感じています。

【第24回布施緩和ケア研修会(オンライン)】
日時:3/24(土)18:00~20:00
定員:200名程度
対象:どなたさまでも(地域制限はありません)
タイトル:緩和ケア×そのひとらしさ×存在
今回は「精神疾患」を取り上げ、講演会を行います。
大阪国際がんセンター 和田信 先生、『精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本』(医学書院)などの著書で知られる 小瀬古伸幸 先生にご講演をいただき、同テーマでミニシンポジウムを行ないます。
▼詳細については、以下記事をご参照ください。
https://www.facebook.com/events/238409444341109
▼お申し込みは下記からでも出来ます
https://17auto.biz/fuseishikai/registp.php?pid=2
◆くわしくは、ここをクリックしてチラシでご確認ください◆

【皮膚ケア緩和ケア講演会・第6回 東大阪プロジェクト】
日時:令和3年5月8日(土)18:00~20:00
定員:会場 100名(東大阪市文化創造館小ホール)
   オンライン 300名
対象:どなたさまでも(地域・職種に制限はありません)
話題提供:皮膚ケア・緩和ケア
第一部:18:00から 
皮膚科医が伝えたい!ちょっぴり残念な褥瘡ケア
札幌皮膚科クリニック 院長 安部正敏 先生
第二部:19:00から
訪問看護師が伝えたい!ちょっぴりホットな緩和ケア
かわべクリニック 看護師 川邉綾香
▼詳細については、以下記事をご参照ください。
https://www.facebook.com/events/776380529952393
▼お申し込みは下記からでも出来ます
https://88auto.biz/higashiosaka/touroku/entryform5.htm
◆くわしくは、ここをクリックしてチラシでご確認ください◆

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