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【看取りの報告書】AKさまのこと

クリニックでは、患者さまが最期の時間を過ごされたご様子を「看取りの報告書」としてまとめています。

今までかわべクリニックがお見送りをした患者さまの「看取りの報告書」を、担当看護師の思い出と共にご紹介していきたいと思います。

AKさまのこと
何度もACP、困難を乗り越えて、今ベストと思うことを!
そしてたどり着いた答えとは…

いつもお世話になっております。
11月に退院されましたAKさまについてご報告させていただきます。

AK家とはまず、AKさまの旦那さまががん末期と診断され、在宅療養を希望されたためお伺いしたのが関わりの始まりでした。
当初は旦那さまの診察だけだったのですが、娘さまより「母(AKさま)が薬を飲まない、食事量にムラがある」などの相談が増えたため、体調管理や薬剤管理を含めた介入となりました。

そのような中、長年連れ添った旦那さまが亡くなられました。
AKさまは、旦那さまの死をなかなか受け入れることが出来ず傷心し、自立神経の乱れや気力が失われた日々が続きました。

娘さまの献身的な介護にも関わらず、AKさまは口調が荒くなり衝突する日々。
病状の悪化と共に、食事・水分摂取量が顕著に低下する等、在宅療養が難しいと判断し、入院となりました。
しかし娘さまの中で、最期は自宅で過ごさせてあげたいという思いがつのり、退院に。
自宅に戻る道中で、好きなお寿司とたこ焼きを購入し、機嫌よく嬉しそうに食べていたAKさまの姿が今でも思い起こされます。

日々状態が悪化する中でも、「早く元気になって、お野菜を買いに行きたい」と希望を語っておられました。
そして、ご家族に見守られる中、安らかに永眠されました。

AKさまとご家族さまは、声をそろえて、「主治医の先生は説明も丁寧で、すごく良くしてもらい、幾度となく助けてもらい感謝しかない」とおっしゃっていただいたこと。
また、ご家族さまが「自宅で看取ることができ良かったです」と、達成感のある表情でお話しくださったことが印象に残っています。

この度は、本当にお世話になりました。
今後ともよろしくお願い致します。

[ケアを振り返って]
今回のキーパーソンは、AKさまの娘さまでした。

私たちは、がん末期であったAKさまの旦那さまの訪問診療からスタートし、旦那さまの疼痛緩和、服薬管理、そして食事の相談などケアを行ってきました。

娘さまには精神疾患がありました。
ご本人から「辛くなった時のサイン」について伺っていたため、表情や睡眠状況も確認し、介護が負担にならないように、真面目な娘さまの性格を理解した上で、手を抜く方法などもお話ししました。

軽度認知症があるAKさま。
徐々に弱っていく旦那さまの姿をみて不安が募ったためか、また旦那さまにばかりケアが行われることに嫉妬されたのか、赤ちゃん返りのような行動が見られました。
これにより娘さまの負担は一気に増え、娘さまの休息のためにも入院措置が必要ではないか、というところまでに至りました。
AKさまの認知機能の悪化に不安を感じたケアマネージャーさんからも、AKさまに医療介入をして欲しいと依頼があり、私たちが介入しました。
それにより、娘さまは一時的に穏やかさを取り戻せるようになりました。

しかし、がん末期の旦那さまと認知症のAKさまの両方の介護負担は、娘さまにかかります。
旦那さまは自宅での最期を希望しているが、現状では娘さまが潰れてしまいそう…。
どこで過ごすと穏やかなのか?
旦那さまは娘さまのことを思い、病院に入院することを選ばれました。
結果、その1週間後、病院での看取りとなりました。

すると、AKさまの落ち込みは更に激しくなり、完全な無気力状態、脱水傾向に。
AKさまを介護する娘さまもまた、心身ともに疲弊していきました。

AK家にとっての休息と身体の立て直しのためにどうしたらいいのか。
話し合いを行った結果、AK さまは腎機能の悪化もあり入院となりました。

AKさまは入院後も変わらず食べない、飲まない、拒薬などの行動は続き、娘さまは毎日のように自転車で片道30分かけて面会に行き、病院でも介護をしていました。
そして主治医から、今後は胃瘻やCVポートによる高カロリー輸液での栄養管理の提示がされました。
「私ひとりでは決められません」と娘さまからクリニックに電話があり、私たちと一緒に考えることになりました。
自宅で過ごすとなると、彼女のできること、できないこと、誰かに委ねることなどなど…。
これがACPです。
ひとりで抱え込まず、一緒に考え、支えることを約束しました。

そして、娘さまの出した答えは「母を自宅に連れて帰り、自然な形で過ごしてもらう。父の時には叶わなかった自宅での看取りをすること」。

退院してからの12日間の療養では、どこか落ち着いた様子でAKさまを見守る娘さまの姿に、安心感を覚えたほどでした。
父と過ごした日々があってこそ、穏やかな母との在宅療養があったのかもしれません。

私たちは、ご本人さま、そしてご家族さまと共に考え、歩める。
そんなケアスタッフでありたいと思います。

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